5 登録用紙
こちら『登録用紙』でございます。
冒険者になるための必要アイテムとなっております。
『悪魔との契約書』ではございませんが別名『鬼ギルド長の下僕となる契約書』とかどうとか。
契約書は内容をしっかりと吟味し、登録用紙には不要な個人情報を記載しないよう注意いたしましょう。それが世渡りのコツでございます。
――――
「えー。お待たせして申し訳ございません」
尻尾を左右にゆらゆらと振りながら、ペルナが恥ずかしそうに頭を下げる。猫耳がピクピク動く。
「これからみなさんに登録用紙をお配りします」
ペルナの宣言に、いままでだらんとしていた子どもたちの様子が変化する。シャキンと背筋を伸ばし、受付嬢を見上げる。
「登録用紙は、自分以外の人には触らせないでくださいね。他人の魔素を読み込んでしまって、正確な情報が登録できなくなります。エルトちゃんを抱っこしているフィリアさんは……ご自分の魔力が漏れないように注意してください」
「わかっているから安心して。そんなヘマはしないよ」
――――(『生贄奴隷の成り上がり〜堕ちた神に捧げられる運命は職業上書きで回避します〜』本編より)
「こちらの世界では下僕契約は紙なのか。羽根は使わないのだな」
「いえ、お兄さま、羽根ペンは使うようですわよ?」
「……ああ、そうだな。羽根ペンも……そのうち取扱商品として紹介されるのだろうな」
「あら? お兄さま、どこからか、『ウッカリワスレテマシタ』という声が聞こえましてよ?」
「イトコ殿、正体不明な奇妙な声には反応してはいけません」
「あ……そうでしたわね。でも、お兄さま、こちらの下僕用紙の原材料は、なにを使用しているのかしら? 羊皮紙でしょうか? なんだか、少し違いますわね?」
「そうだな。変な魔力を感じるな」
〈イラスト掲載先・近況ノートに飛びます〉
https://kakuyomu.jp/users/morikurenorikure/news/16818023212104859593
〈この作品は……〉
3-21.これからみなさんに登録用紙をお配りします
https://kakuyomu.jp/works/16817330666712685959/episodes/16817330669336039318
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