3 吸い飲み

 こちら『吸い飲み』でございます。

 色も味もまんまコ●ラ●でございます。

 とても美しいフォルムの吸い飲みに入っております。

 ただし、シュワシュワ炭酸ではありません。

 目覚めたら、スキッと爽やかな飲み物を飲まされたご様子です。


――――


「フレーシアお嬢様、まずは、これをお飲みください」


 上体を起こされ、吸い飲みの呑み口を口にあてられる。


(なにを飲まされるの?)


 ガラス製の吸い飲みは、液体の色が見える。

 液体は茶色っぽい色をしている。

 なにか、苦いクスリなんだろう。


「薬は後で飲んでください。まずは、喉の乾きを癒やし、空っぽの胃をいたわる飲み物ですよ」


 老人の説明に励まされるように、あたしは吸い飲みに口をつける。

 ゆっくりと口の中にはいってくる液体は、ほんのりと甘く、後味もとても爽やかだった。

 赤いブランドカラーと白の横文字ロゴで世界的に有名な茶色い炭酸飲料の炭酸がないタイプ……みたいな味だ。

 ポテトとかハンバーガーが食べたくなる味である。


「一気に飲むと、空っぽの胃がびっくりしますよ。あわてないで、ゆっくりと、飲んでください。そう、その調子で……」


――――(『お転婆令嬢は破滅フラグを破壊してバグの嵐を巻き起こす~激ムズ乙女ゲームに転生したけど攻略キャラの設定がおかしいです』本編より)



「こ、これは……もしかして、じゃんくふーど部門にカテゴライズされる『奇跡の水』でしょうか?」

「イトコ殿、それは違うよ。なにしろ、長期間、飲食がままならなかった患者に飲ませる栄養補充薬だからね」

「まあ! やっぱり、これは、異世界のお薬なのですね!」

「そうだな。24時間働いたり、ファイト一発なドーピングではないようだが、リアルな黄金くらいの効果はありそうだな」

「なんて、すばらしい飲み物なのかしら! 機会があったら飲んでみたいですわ!」




〈イラスト掲載先・近況ノートに飛びます〉

https://kakuyomu.jp/users/morikurenorikure/news/16818023211998917207



〈この作品は……〉

1-20.デイラル先生https://kakuyomu.jp/works/16817330667671419555/episodes/16817330668560062169

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