『おさかな活動報告』

『最終回』

　タ人によりもたらされた発議は、緊急活動方針として採決に持ち込まれたのである！

　なにせ、タ人のテクニックは、驚異的と思われたから、人類なんか目じゃないや、と、多数のお魚たちには思われたからである。

　ただし、くじら属などは、同じ哺乳類であり、しかも、人類はわりに、『可愛い』と見られていることもあって、棄権したが、しゃち属には賛成票を投じるものもあった。

　慎重な穏健派は、一部分反対したが、主流派からも、多数の賛成が出た。反主流の多くは賛成した。

　また、かなり多数の中間派や、支持層なしの、浮動票をも取り込んだ緊急活動方針は、ついに、採択されたのである。

　ここに、彼らは、人類討伐に乗り出すこととなった。

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アナ

　『あなたは、どちらに、いれましさめ？』

解説のおながうつぼさん

　『おいうつぼは、反対したつぼ。もう、としだつぼ。戦争なんぞは、けしてつぼ、やるものではないつぼ。多くの生き物の運命を変えてしまうつぼ。そんな権利さは、どこの誰にもない、つぼつぼ。ぜったいに、ないうつぼ。』

アナ

　『わらさめも、反対しましたさめ。しかし、ま、首になるかもなあ。うちの社長は、おおめじろさめで、かなりラジカルだからさめなあ。』

解説のおながうつぼさん

　『すあなに、閉じ籠るしかないつぼ。』

アナ

　『わらさめは、徴兵されるかもさめ。サラリサメは、つらいさめ。』

解説のおながうつぼさん

　『たしかにつぼ。あなたは、まだ、お若いからなつぼ。』

　ああ、しかし、タ人が最高だなんて、けして、思ってはならなかったのである。

　翌日、日本海溝付近で、歴史上も、地質学上も、最高となる、推定、M9.6の超巨大地震が起こったのであった。

　タ人の第十海底基地は大破し、お魚たちは安全地帯を目指して退却を余儀なくされ、衝撃に弱いお魚はいなくなり、また、棲息域や寿命の長短の都合にもより、大幅に数が少なくなったものたちもあったが、増えた種族もいた。

　いずれ、人類征伐は、延期となったのである。

　　　　　　　　　おわり

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