結城 紗穂は読書が苦手などこにでもいる普通の女の子。ですが、ある日本屋で一冊の本と出会うことから物語は始まります。
なんだか理由はわからないけど、とにかく惹かれる一冊。何気なく手に取ったその本を好きになることで、紗穂は瞬く間に読書好きになり、なんとブックカフェにも行くように。
そこでなんと運命の出会いも経験することに…?
本作は連絡短編の構成になっており、主人公の紗穂と恋人である優大の日常をつづります。とにかく2話目まで読んでほしい。明るく素直で人を惹きつける魅力にあふれた紗穂と、大柄で目つきが悪く、怖い印象を持たれるけど紗穂のことが大好きな優大の紡ぐ日常はほっこりした甘い幸せにあふれ、毎エピソード読み終えるたびに幸せな読後感をもたらしてくれます。
二人だけではなく、二人の周囲にいるサブキャラ達の関係性も魅力的。紗穂の親友であり作家の佳奈美と、彼女の小説のファンである男子高校生の遊佐くん、昔から彼女に好意を寄せている紗穂の弟拓真との三角関係も続きが気になるポイントです。
揺るがない愛で結ばれたラブラブなカップルの日常も、年下の男の子にアプローチされてドキドキしてしまう感情も一度に楽しめるなんて贅沢ですよね!
とにかく紗穂と優大のカップルが可愛すぎるので、ぜひこの二人に出会ってほしいです。小動物のように自由な紗穂と、普段は寡黙なくせに欲しいときに欲しい言葉をくれる優大のベストカップルの日常はきっと多くの人にキュンの感情を届けてくれるはず。
本作は恋愛小説のように、二人の関係性をじっくりと書いた物語ではありません。むしろ細かいシーンは割愛して、次のエピソードでは数年の時間が経過していることもしばしば。
でもだからこそ、エピソード内にある二人の言葉のちょっとしたやり取りから日ごろの仲の良さが感じられて身もだえするくらいにキュンキュンしてしまいます(笑)もっとこの二人の日常を知りたい!と思う気持ちが、自然と次のページをめくらせます。
ぜひ隙間時間に好きなエピソードを読んで、あなたの日常に甘い彩を添えてください。