美鈴、なんか大変な方向に進んでますね

「ねぇ、これからどうするの?」


 そう言い美鈴はドラバルトとモドルグとファルスとミィレインを順にみる。


「そうだな……ずっとここに居る訳にもいかない」

「ドラバルトの言う通りですね……私は仲間に、このことを伝えてきませんと」

「大丈夫なのか? モドルグ……」


 ドラバルトはそう言うとモドルグをみた。


「何をだ?」

「ミスズは女神崇拝派側にも就かない。そうなるとお前も女神崇拝派を抜けることになる」

「ああ、そのことですか……問題はない」


 そうモドルグに言われ美鈴たちは首を傾げる。


「どういう事? なんで大丈夫なの?」

「ミスズ様……私が言えば皆はついて来てくれます。いえ、そもそもミスズ様について行こうと思った時から女神崇拝派を抜けてもいいと思いましたので」

「そうか……でも、抜けても大丈夫なの?」


 そう問われモドルグは、コクッと頷いた。


「私が抜けたところで女神崇拝派はなくなりません。恐らく新たに誰かが支部長になるでしょう」

「そういう事か……モドルグ一人を失っても痛くも痒くもないって訳だな」

「なんか刺がある言い方だな。だが、まあそういう事です」


 そう言いモドルグは美鈴をみる。


「そっちは、それで問題ないだろう。だが、もう一つの難題がある」

「ファルスの言う通りだ。魔王崇拝派を、どうにかしないとな。まあ……俺の妹が頭だからなんとかなるだろう」

「そうか……そういえば魔王崇拝派のリーダーってドラバルトの妹だったね」


 そう美鈴が言うとドラバルトは、コクリと頷いた。


「だからとて甘く接するつもりはない。もし言うことを効かぬのなら……」

「待って、ドラバルト。心配だから、ウチも一緒にいく」

「構わぬが……大丈夫か? ミャルモはミスズを狙っている」


 そう言いドラバルトは美鈴を心配に思いみる。


「だから、ウチも行くの。その方がいいと思うから」

「そうだな……その方がいいか。いざという時は、俺がいる」

「待ってください。私も、お供させてください」


 モドルグは目を潤ませ訴えかけるように美鈴をみた。


「モドルグは、こない方がいいと思うよ。色々とややこしくなるし」

「確かに、ミスズの言う通りだ。オレもついて行きたいが……ここはドラバルトとミスズの二人で行った方がいいだろう」

「うん、モドルグは仲間の所に行って話をつけて来てほしいの」


 それを聞きモドルグは頷くと美鈴を見据える。


「オレもついて行った方がいいのか?」

「ファルス、私一人でも大丈夫だと思います。ですが一応、用心のためについて来てもらえると助かる」

「そうだね……ファルス、モドルグと一緒にいって……万が一ってこともあるし」


 そう言われファルスは、コクッと頷いた。


「そうなると……二手に分かれるってことになるな」

「アタシは勿論、ミスズとよね?」

「うん、当然よ。ミィレインはウチの守護精霊でしょ」


 美鈴はそう言うと、ニコッと笑みを浮かべる。

 それをみたドラバルトとモドルグとファルスは、ドキッとし顔を赤らめた。


(まただ。先程モドルグに、ミスズを好きと云う気持ちの表れだと言われた。だが、オレは……神だぞ。こんな感情を持つ訳がない……どうなっている?)


 そう思いファルスは無作為に一点をみている。

 そして、その後も美鈴たちは色々と話し合っていたのだった。

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「無」能力だけど有能みたいです〜無能転移者のドタバタ冒険記〜②《激闘の章》 ミケネコ ミイミ♪ @myimi

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