こんちゃと 強がりつつや いとをかし やばっ勝つ気せん 狼狽え放屁

こんちゃと

  つよがりつつや

    いとかし

 やばっせん

   狼狽うろた放屁へひ



【解説】不良同士の上下関係を詠んだ歌です。舎弟は目上の相手に対し、内心怯えていても、媚びずに体裁を保ちつつ元気いっぱい挨拶! その瞬間、内なるものが出てしまったのか、思わず放屁ほうひ! 身まで出なくて良かった! そんな不良社会の「いとをかし」趣のある(?)情景を描いています。


【秘密】この短歌には、秘密があります。そう、それこそが『いとをかし』・・・?「何を言っているのか」って? 実はこの短歌には、『いとをかし』に関する、大きな秘密が隠れているのです。その秘密とは何か、紐解いて行きましょう。まず、この短歌を全て平仮名に変えます。そうして並べてみましょう。(以下)


こんちゃと

つよがりつつや

いとおかし

やばっかつきせん

うろたえへひ


 この平仮名にした短歌の、どこを縦読み!? いえいえ、今回は縦読みではありません。少し複雑なギミックです。次は、上の句と下の句に分けてから、並べ替えましょう。いわゆるアナグラムです。分かり易く、上の句からゆっくりやります。最初に「こ」と「お」、「つ」と「よ」、「や」と「か」の3つを入れ替えます。


おんちゃと

よつがりつつか

いとこやし


 次に「ちゃ」と「つつ」、「がり」と「いと」を入れ替えます。


おんつつと

よついとちゃか

がりこやし


 徐々に見えてきましたね! 更に「ん」と2行目の「と」を入れ替えます。


おとつつと

よついんちゃか

がりこやし


 これでもうお分かりでしょう。次は下の句です。「つき」と「え」「ひ」を入れ替えます。


やばっかえひせん

うろたつきへ


 最後に「や」の一文字を下へ移動させます。これで入れ替えは終了です。


ばっかえひせん

やうろたつきへ


 あとはそれぞれを並べ替えるだけです。ここまで来れば、もう読めているでしょう。やや難解なのは五行目ですので、この並べ替えをしてみましょう。二段階に分けます。第一段階で「ろ」と「へ」、「た」と「つ」を並べ替えます。


やうへつたきろ


 第二段階で「き」を一番前に、「う」を一番後ろに並べ替えます。これで完成です! という訳で、この短歌の中には「おつ(っ)とつ(っ)と」と「よつ(っ)ちゃんいか」と「し(じ)や(ゃ)がりこ」と「かっば(ぱ)えびせん」と「きや(ゃ)へ(べ)つたろう(キャベツ太郎)」という、5つの『お菓子』の名前が隠れていたのです! いとをかし! いいえ、いとお菓子!


 今回は以上です。楽しんで頂けたら幸いです!

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縦横無尽短歌『食べ物』『お魚さん達』『いとをかし』 武藤勇城 @k-d-k-w-yoro

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