第2話 どうすることが正解だったのかな?

大学生になって気がついたのは、人間関係が高校生とは違い難しいことだった。

高校生の頃はどうやって友達を作ったのだろうかと悩んだが、大学生になるとTwitter(いまはX)で情報収集するのが当たり前になっていた。でも、スタートダッシュから出遅れていたことに気づいた時には周りから置いていかれてた。

4年間、自分のクラスには友達が出来なかった。他のクラスには友達がいたけれど、自分のクラスには誰1人友達と呼べる人が居なかった。

私はそれでも、別に困ることはなかった。自分に出来るやり方で授業を取り、単位を取得していたからだ。

だけど、青春と呼べる大学生活は送っていなかった。1人の時間の方が多かったと思う。そっちの方が幸せだった。誰かといる、それができたらいいのかもしれない。

でも、1番の難所は就職だった。

私は書類選考に突破できることはできても、SPIという筆記試験に突破できることも面接試験に受かることもできなかった。だから、なりたい仕事もなることが出来なかった。周りができることに私はついて行くことすら難しかった。

お母さんは私に言った。

『努力が足りない』のだと。

努力...努力してるよ。

でも、出来ないんだ。

やろうとしても出来なかった。

どんなに文章が上手かろうが、他の試験は惨敗だ。

本当はシステムエンジニアになりたかった。

だけど、試験が難しくて出来なかった。

それから、どうしても私は就職にこだわった。

周りが就職しているのに、自分は就職できていないことに、焦りを感じたからだ。

自己分析をし直して、見つめた先にあったのが介護職だった。

介護の資格もなく飛び込んだ。障がい者施設から特別養護老人ホームまで色んなところに見学しに行った。

結果的には有料老人ホームに就職が決まった。

その日はとても嬉しかったことだけ覚えている。

だけど、3月から始まる勤務から5月末までの勤務は予想を遥かに超えた地獄の始まりを告げていた。

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自閉症なんだ。 ソノハナルーナ(お休み中) @eaglet

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