自閉症なんだ。
ソノハナルーナ(お休み中)
第1話 大学受験を挑む人たち
これは私の話だ。
名前は仮名として聞いてくれれば良い。
オトカ、それが仮名だ。
本来の名前ともじった言い方になっている。
私は今までとても苦労した。
小学生の時は場面緘黙でとても苦しんだ。
話したいのに話せなかったからだ。
中学生になると何が苦しかったかはだいたい人間関係に詰まっていた。
高校生になったら辛いことより楽しいことの方が多かった気がする。
ただ気分の上下が凄かった。
一度だけ塾の先生に『お前、長くいるのにこんなことも分からないのか。わかるだろ』と東大出身の先生に言われたことがきっかけで自分を責めた。
その時、ブースの中で自分のことを笑ってる声が聞こえた。
私はとても怖くて耳を塞ごうにも声は大きくなるばかりだった。
だけど、それは今思えば幻聴だったのかもしれない。
大学受験は本当に大変だった。
まるで江戸時代のイクサを体験している感じだった。
勉強しない者は落ちるし、勉強しても落ちる。
何が正解なんて試験の中では分からない。分かるのは答案用紙を採点して合格を決める人たちだけだろう。
私は運良くある女子大に合格して、女子大生になれた。
だけど、ある友達は噂話が好きであの子は落ちたやあの子はあの大学に行ったなど破茶滅茶に噂話を広める奴もいた。
そうかと思えば、私のことを好きとか言っておきながら、大学に受かったと伝えるとなぜか妬み出す奴もいた。
結局のところ大学受験は人を陥れるか単純に勉強して合格を勝ち取るかどちらかしかないのだと、学んだのが大学受験だった。
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