家系短歌

にゃんしー

家系短歌

家系を食べたあの日が初デートと思っていたのか家系なのに


キンさんの名前が変わった次の日に昔の名前であなたは振り向く


昼下がり日曜のパパは風呂そうじシャワーをにぎってボブマーリーの真似


玄関に「犬」と貼られた豪邸に住むひとがもし悪魔だったら


気持ちには形がないと知りました初めて眼鏡をかけたあのとき


髪型は春とおなじでほんとうに可愛いときは一瞬なのだ


春休みきらいなひとはすきなひと出せない手紙をたくさん書こう


さくらさく学ラン詰めエリ深呼吸 懲役三年みたいな顔で


ほんとうにやましいことがないのなら裸で町を歩けるはずだ


オードリーのくしゃみはいつもヘプバーン僕のくしゃみはタキザワヒデアキ


あのときの傘じゃあないかこれまでにどんな男に抱かれてきたの


献血で針刺してくれる看護師がババアだったときの安心感でいけ


ひらがなでいえば「る」が好きインド人しりとり大会おまえがエース


スマホには魔法という字が隠れてるいつでもどこでもつながっている


赤信号みんなで渡ればこわくないひとりで渡ればかわいくない


忘れたい忘れられない忘れられたくない君を思い出にしない


生きるとはまた朝顔が開くのを見たいと思い眠りにつくこと


「今日なに忌?」「ジョン忌!」といった恋人がポケットにいれたJ.D.サリンジャー


僕たちが平等だったら引き算をしたらなんにもなくなるだろう


いつまでも一緒にかわいく暮らそうね僕たちふたり理由ありミカン

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