君からのメッセージ

@kaminetu

第1話

 俺には夢がない。ただ親や言われた事をする生活飽きてしまう。そんな時俺の唯一の希望は陸上部のカズだ。俺は陸上部に所属する、親友の走りを見つめて満足そうに笑う。だがその親友のカズは毎回「つまんねぇ」ってぼやく。なんでカズがつまらないって言うのかは分からない。

 

 「なぁ俺は幼い時唯一競い合えるライバルがいたんだ」


 と言い出した。カズが走って競い合える人はいなかった。誰もカズの走りを共に走ればこいつには勝てないと気づく。そんな凄い人だ。


「いないだろう。お前には誰も勝てない。幼い頃からお前は綺麗なフォームで走っていた」

「そうか?うんでもあいつしかいないんだよ。走って楽しいって思える人がさ」


 ちょっと悲しそうにいった。ライバルと聞くのははじめてだったが今日は俺に何かを言いたいのだろう。


「せっかくだしさ、神谷と走りてぇなぁ」

「カズ!!うん走ろう」


 なんか俺は嫉妬してしまった。そのライバルにムカつく。カズちゃんが大好きだから独占力が強いだけかもしれない。いつのまにかカズちゃんを追い抜き引き離していた。カズちゃんは笑いながら直ぐに追い付く


「やっぱり神谷。お前と走るのは楽しい」

 

 そう言われるのは嬉しい。俺なんかが走っていて楽しいなんてカズに思われているなんて思わなかった。俺の走りは親の期待には応えられなかった。親は俺に陸上の才能を欲しっていた。兄のいいライバルになるように幼い頃から練習を始めたが才能はなかった。それに気づいた親は見切りをつけて、兄の陸上のコーチとして支えられるように勉強をするように言われた。


 そう彼らは兄のことしか考えられなかった。


「なぁカズお前は強くなれる。保証するよ。だからさ俺と天下を取らないか?」

「天下を取るってここは戦国時代じゃないよ」

「違う違う。オリンピックさぁ。走りで競い合うんだ。たくさんの国と。そんな中俺とお前どっちが金メダルを取って日本を世界王者にする。神谷とカズどっちが速いか勝負するのさ?」

「俺がカズと同じくらい選手になれるとでも思っているの?なれないよ俺じゃ……カズの足手纏いになるだけ」


 そういうとカズは悲しそうな瞳で見つめてガッカリした顔で俺をするすると俺を抜きさる。俺は懸命におうがついていけない。当然だ。俺は練習してないしそれに加えて才能がないのだから。


 カズはスピードを抑えて俺のところに戻ってきた。


「やっぱり才能があるよ。俺のこと怖くないだろう。お前は考えすぎだ」


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