【短編集】彩り自由帳

⭐︎登場人物紹介（ある眷属）

※登場人物紹介、『ある眷属』編です。

※各短編小説のネタバレがあります、ご注意を。

※目次ページ同様、随時更新していきます。

【アルラズ・スノウ】

　炎神の涙から生まれた、男体の眷属。

　外見年齢は20代前半くらい。

　紅色の瞳、淡い金色の短髪。アルヴィンの双子の兄であり、顔立ちは瓜二つ。美形の多い眷属たちの中でもとりわけ美形。身長178cm。

　正義執行機関『瞳』、序列第三位。

　『試練』の役割を持つ。

　彼にとっての『正義』とは、家族愛である。

　母親である炎神を「この世で最も愛している」と言って憚らないマザコンであり、双子の片割れのことをスキンシップ多めに可愛がるブラコンでもある。しかしその過剰な愛には、生まれつき人としての感情が希薄であり、極めて身近な存在以外への興味が湧かない、という背景がある。

　空間操作系統の魔法を得意とし、現れたり消えたり惑わしたりはお手のもの。身体能力も高く、機動力では序列第一位のトエニカや、第二位の兄を上回る。武器は持っていない。

　その仕事場は聖域の外側であり、人間……罪人やその被害者と関わり合うことが多い。任務を終えると、聖域の内側で過ごす自分とは対照的な弟へ「お土産」を買ったり拾ったりして帰る。

　華やかで軽やか、掴みどころのない風のような人柄。飄々としたその内に秘めた「諦め」と「憧れ」を知る者は、ごくわずか。

〜登場作品〜

『ある眷属の正義』『ある眷属の忘失』

『指先で酔う』『長姉』

【アルヴィン・スノウ】

　炎神の涙から生まれた、男体の眷属。

　外見年齢は20代前半くらい。

　紅色の瞳、銀髪。アルラズの双子の弟であり、兄そっくりの超絶美形。身長178cm。

　正義執行機関『瞳』、序列第三位。

　『記憶』の役割を持つ。

　彼にとっての『正義』とは、過去である。

　一度記憶したことを永久に忘れない能力と、「周囲に存在するあらゆるものから、あらゆる境界を透化した上で、あらゆる情報を集める能力」を持つ特異な存在。彼にとって読心は失礼なことだが特別なことではなく、その能力を強く意識して制御しなければ、実際に言動や表情で示された以上のことを見透かしてしまう。

　常に身体中に能力制御用の紅く細い帯を巻いており、色の暗いシャツを選んで着ているのはその「紅」を隠すため。身につけている黒手袋や色眼鏡も家族特製の制御用具であるが、そこまでしても能力を完全には抑えきれず、聖域（裁きの塔、大聖殿、附属図書館）から出られない。

　難儀な敏感体質だが、それだけ強力であるからこそ、他の眷属たちの道導となることができ、彼らの背後から聖都やシェールグレイ神聖王国の舵取りを助けることができる。

　やわらかで洗練されたふるまいの裏側に、豊かな感受性を隠している。兄に対してのみ、ツン要素多めのツンデレ。

　ラピットなど、可愛らしいものが好き。

〜登場作品〜

『ある眷属の忘失』

『指先で酔う』『長姉』

【トエニカ・ブルー】

　炎神の血から生まれた、最初の眷属。

　20代前半くらいの美しい女体をしている。

　蒼色の瞳、桜色の長髪。身長176cm。

　引き締まった身体に常に軽装の鎧を纏い、身の丈より巨大な長槍を携えている。髪は高い位置でひとまとめにしていることが多く、ほどくとガラッと印象が変わる。

　正義執行機関『瞳』、序列第一位。

　『将軍』の役割を持つ。

　大聖殿の代表者として眷属をまとめ、将軍として民とともに戦う。「圧倒的な力で以って捩じ伏せ、制圧するタイプ」と自称する彼女の存在感・戦闘能力はすさまじく、並大抵の敵ならば、武器を振るうまでもなく覇気だけで薙ぎ倒せる。彼女の背中を見られる者は、彼女の味方のみと言っても過言ではない。

　清く、凛々しく、心優しい女性。普段はより大切なことを優先しているだけで、お洒落への興味は大いにある。

　私生活では、ちょっぴり天然ぎみ。

〜登場作品〜

『長姉』

【シエラ・バーンネル】

　16歳、人間の女性。

　晴空色の瞳、栗色の髪。髪はいつも左右に分けて三つ編みに結っている。身長151cm。

　聖都立ティアニーリア神学校に特待生としての入学が決まった才媛。

　真面目で努力家、勝気な性格。

　14歳のとき、『闇泳の魔物』事件で唯一の肉親であった母親を失うも、炎神の遣いであるアルラズに仇を捕らえてもらい、人生を救われた。以降は、街の教会にて神父をつとめる養父のもと、立派な聖職者になるべく猛勉強を開始する。

　風属性の翠色の魔力の持ち主だが、魔力量が非常に乏しい。それゆえ魔法は初歩的なものも使えず、同年代の少年たちから蔑まれてきた過去を持つが、ある出来事によって報われることになる。

〜登場作品〜

『ある眷属の正義』『ある眷属の忘失』