誰もがもつ『牢獄』のイメージ。それはただの印象にあらず、なにかを、誰かを、恐らくは―――自分自身のなにかを囚え、幽閉している、実感あふれるイメージとして、多くの人が抱えているのではないでしょうか。その実体とは、発祥とは、外部とは、そして行く末とは。こんなにも果てしなく語られるものか、と、作者様の豊潤なイメージには感嘆しながら、牢獄の壁をただただ巡るしかありませんでした。