第6話 紫の少女

同級生の中で紫のランドセルは私だけだった、赤や茶色ピンクといった当たり前の色しかなかった。

紫が一人だけだったから遠くからでも貴方だとすぐ分かると言われなんだか複雑な気持ちになったのを覚えている。

あまり紫は人気がないと思ったが私の一個下の台から紫のランドセルの子達が増えた、そしてどんどん増えてゆき種類も増えていきキラキラしているのや柄のある物も増えてゆき私から始まった紫のランドセルと思うと嬉しくなった。

従姉妹も私のランドセルの色に憧れて紫色にしたとのこと、最初はお下がりでいいかなと思っていたらしいがボロボロになっていたり今の時代では地味なランドセルは逆に嫌な思いをするかもと思いやめておこうと意見をいった、従姉妹のランドセルはキラキラしてるビーズ?や刺繍の入ったランドセルで良いなあと何度も心で言った。


入学式の写真は紫色のジャケットに紫の靴、紫の靴下だった、服装自由にしては派手だなと思ったが紫色のランドセルに対する情熱は私と変わらないのかと思った。

ランドセルを選んだ時の服装は紫のワンピースに紫のサンダル、紫の髪飾りをつけて母やおばあちゃんを説得したのを思い出した、昔から紫色へのこだわりが強いほうだったらしく従姉妹もあなたと同じくこだわりの強い子だろうねとなんども母から言われた。

従姉妹とそこだけはよく似ている。

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虹の話 黒蛾骸彦 @Kurogakarahiko0326

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