ロンド

@rakuten-Eichmann

ロンド

夕日が沈んで、夜が来て。また太陽が顔を出しても、それは昨日のあなたとは違う。

その目、その口から放たれる言葉。辞書と同じ形でも、色や匂いはまるで違う。

全部が全部正しいってわけじゃないし、夢が現実を越えることはない。

ゼンマイ仕掛けの今日が終われば、きっと本当の明日が始まる。あれ?このセリフ、誰かが言っていたな。忘れたくない誰かが言っていたな。


悲しいロンド。お先にどうぞ。僕はもう少し踊っているよ。

可笑しいロンド。もう終わろう。逆再生みたいに雪が何度も何度も積もっては消えていく。


I LOVE YOU、この言葉を何に例えよう。きっと生きている間は無理だろう。

点描のような痛みだってきっと、永遠だと信じて見守っていけるんだ。

太陽はいつか消えるけど。大丈夫の一言で笑い飛ばせるんだ。

トマスもきっと笑うだろう。だって僕は何も信じない、アンビリーバーズだったから。

ねえ、どこで変わったんだ?何もかも戻ってこないって知ったあの時からか?


明るいロンド。一緒に行こう。いつまでも一緒に笑おう。

愛しいロンド。きっとこんな妄想。現実に慣れやしないだろう。それでも願ってしまうんだ。灰色で騒がしい昨日からの道標を。


暖炉の火が喋りかけてくる。なあ、大丈夫かい?

僕は答える。僕はいつだって大丈夫だ、ただ彼女はどうだろう?

割れた木炭が答える。君が笑うなら彼女も笑うさ。いつだって私はあなたの味方だから。。

壁に向けて吐き出した言葉は、悔いることなく、僕の腑を掻き回していく。

ねえ、明日デートに誘ってみようかな?なあ、僕はどうしたらいい?せめてサイコロみたいな、いいや上品に言い直そう。ゼンマイ仕掛けの今日が終われば、本当のあなたに会えるかな?


奇妙なロンド。僕の手を取って一緒に踊ろう。何かが始まる気がするんだ。

静かなロンド。また今度。今はその一言で、どこかに転がっていける気がした。

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