第4話 エルフとデート、ご褒美はハグで!
「戻りました、すみませんアヒレ様」
「おかえりなさいエフテニアさん、アヒレでいいですよ」
エフテニアがスッキリした顔で部屋に戻ってきた、まあトイレなんだしスッキリするのは当たり前なんだけどなんか違うような。
「アヒレ...私のこともエフテニア、いえエフィとお呼びください」
「エフィ?分かりました、これからよろしくお願いします、エフィ」
「おー、えへへ、これは中々の破壊力...」
エフィはニヤニヤととろけた顔でいつまでも名前を呼ばれたということを噛み締めている。
「エフィ、そろそろデートの時間じゃないですか?」
「ああ、もうそんな時間ですか、行きましょう行きましょう!エスコートは任せてください」
エフテニアはやる気満々のようで鼻をふんふんと鳴らしている。今日のために準備してくれて来ているのだろう。僕たちは街へと向かった。
そうしてエフテニアが連れてきてくれたのはトリスターナ大学の学生たちによる魔法ショーだそうだ。
「魔法によるショーは派手で見てて楽しいと思いまして、ちなみに私の生徒も出るんですよ」
「そうなんですね、とても楽しみです」
実際にとても楽しみだ、魔法はロマンだ、僕は魔法があまり得意ではないヒューマン族だからなのか魔法はほとんど使えない。悔しい
「あ、そろそろ始まりますよ」
そんなエフテニアの声と共にエフテニア大学生による魔法ショーが始まった。
最初は氷魔法による彫像だ、すごい綺麗だ、綺麗なのだが氷でできた彫像は男ばかりだった。
しかもその男の彫像たちは決まってあそこがもっこりしていた、この世界の女性たちはああいうのが好きなのだろうか。
まあこんな世界だしそういうもんなんだろうなというのは分かるが、少し残念だ。どうせなら可愛い子の彫像が見たかった。
次に出てきたのは炎でできたライオンのような動物だ。杖を持った少女がその杖を振るたびに炎でできたライオンはそれに答えるように舞っていた。
見てて楽しい今日はこんな楽しい魔法ショーに連れてきてくれたことに感謝だ。そう思いながら横にいるエフテニアを見ると目が合った。
にこりと笑いかけると顔を赤くしながらそらされてしまった。
エフテニアにとっては見慣れた魔法なのだろうか、それでも僕を楽しませるために連れてきてくれたんだろうな。何か返せるものはないだろうか。
僕が持っていて価値のあるものはなんだと考えたが簡単なことだった。体だ。
隣で一緒に魔法ショーを見ているエフテニアの手に僕の手をそっと触れるように当てる。
エフテニアの体がびくりと跳ねる、エフテニアは少し遠慮がちに手を引いたが逃がさない。手をするすると絡ませるように恋人繋ぎをする。
エフテニアが目を丸くして驚いていた。
「ちょっと手が繋ぎたくなっちゃって...」
甘えるようにエフテニアに囁くと僕の手を握るエフテニアの手にぐっと力が入る。そのまま魔法ショーが終わるまで僕たちは手を繋いだままなのだった。
「今日はありがとうございました。本当に楽しかったです、また2人でデートしましょう!」
「楽しんでもらえたなら本望です」
「そこでですね、僕にも何か返せたならいいななんて考えたんですよ。なので、んっ」
両手を広げて受け入れる態勢をとる。この世界の女の人にとってはこれが1番嬉しいだろうし、僕も嬉しい。Win-Winだ。
「えっと、その、いいんですか?」
エフテニアはどうしていいのか分からないと言った感じだ。おろおろとしている。
「はい、どうぞ!」
にこりと微笑みかけるとエフテニアは恐る恐ると言った感じで僕の胸にぴとりと体を重ねてきた。
腰に手を回し抱き寄せると胸の感触がさらに強く伝わってくる、エフテニアの大きな胸がむにゅむにゅと僕の胸に押し付けられる。
その感触を楽しんでいるとエフテニアが僕のお尻に手を回してきた。遠慮気味に僕のお尻をさわさわしている。
「んっ」
ちょっとしたサービスついでに声を上げる。するとエフテニアはさらに強く抱きしめてきた。
「はい、ここまでです!」
僕はエフテニアに対し唐突に終わりを告げる。エフテニアは興奮して段々とエスカレートしていきそうだったので切り上げさせてもらった。
エフテニアは寂しそうに僕の体から離れていく。そうして僕たちの初デートは終わりを告げた。
多種族異世界では男性が足りてません! @suritati333
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