第3話 初お見合いはエルフです

 今日は初お見合いの日、お見合いの申し込みは募集したらすぐとんでもない数が来たそうだ。巷で僕は窓辺の君なんて言われて大人気なんだそうだ。


 窓から見える僕を見た人がつけたんだとか。でも違うんです、ただの引きこもりです。暇だから外見てただけでした。


 それはさておき相手はエルフだそうです。写真で見たがエルフって綺麗だけど細いイメージがあったが違った、ボンキュッボンだった。あれはエルフちゃう、エロフや。


「アヒレ様、時間です」


「はーい」


 メイドさんが僕を呼びにきた、お見合いの時間だ。そういえばメイドさんの名前はアヤコというらしい、前他の人たちと話しているのを聞いた。


「では、私はこれで」


 部屋の前まで連れてきてもらい、アヤコと別れる。なんかちょっと緊張してきた、あんな綺麗な人と今から2人きりで話すんだ。


「失礼しますー...」


 恐る恐る部屋に入るとそこには正座をしているエルフがいた。なんで?


「よ、よよよよよ、よろしくお願いします」


 彼女は僕よりも緊張しているようだ、なんか自分より緊張している人を見ると落ち着くっていうか、なんか客観視できるようになり先程まで緊張していたのが嘘のように落ち着く。


「えっと、お互い席についてまず自己紹介でもしましょうか」


「はい!」


 とりあえず床に直正座している彼女を椅子に座らせようと提案をすると元気な返事が返ってきた。


「僕はナスターセ・アヒレです、特にこれと言ってやっていることはありません。あ、最近は彼女が欲しくなってお見合いを始めました」


「か、彼女...欲しいんですね、へーそうなんですね。私はエルフ族のエフテニアです。トリスターナ大学で魔法専攻の教授をやってます」


 銀髪爆乳エルフは長い耳をピクピクとさせながら自己紹介をしてくれた。


 その後少しの沈黙が続く、お見合いとは何を話せばいいのだろうか。やっぱ趣味とかから入ればいいのかと思ったがそんなものない、引きこもりなもんで。


 エフテニアの方を見ると向こうもどうしたらいいのか分からないのか耳をピクピクとさせながらこちらの様子でも伺うかの様にチラチラと見ていた。


 先ほどから動いているものがある。耳だ、あれが気になる。


「耳、触っていいですか?」


「へっ?あ、はい私のなんかでよければどうぞ」


 では遠慮なく、椅子に座っているエフテニアの後ろに周り耳に触れる。どうなってるんだろうこの耳は、触るとそれに反応したかの様に動く。


「はぁはぁ...」


 どうしてだろう、耳を触っているだけなのにエフテニアの息が乱れ出した。顔を覗いてみると頬は赤く染まっており気持ちよさそうに目を瞑っていた。


 そんな姿を見せられると更にやってやりたくなっちゃうじゃないかーうひひ


「耳弱いんですか?」


「...」


 エフテニアは僕の質問を無視したあといきなりガタンと立ち上がりこちらは振り返った。


「な、なんですか?」


「フーッフーッ」


 エフテニアの鼻息が荒い、こちらは近づいてきて僕の肩を掴む。変な雰囲気になり少し緊張してしまう。


 綺麗な瞳だ、紫色の瞳を持つエフテニアと正面から見つめ合う。


 エフテニアは10秒くらい僕のことを見つめたのち「トイレに行ってきます」と一言残し部屋から出ていってしまった。

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