第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部

湾野薄暗

やったやったやったやったのついにぬらぬらとひかりかがやくわたし


やったやったやったやったのついにぬらぬらとひかりかがやくわたし


海なのか山にするのか迷ってていっそ宇宙に打ち上げたいな


ねむってる横に転がる私には赤褐色の君が焼き付く


お風呂場のアヒルのおもちゃを目隠し湯船に浮かべ遊んでたっけ


本日もバッドトリップ君のせいストロングエナドリ割りで飛べ


ベロベロになった私と君の顔お揃いなんてちょっと嬉しい


冷房を効かせた部屋は薄暗くへえ〜君ってこんなに重い


サイレンと赤色灯がなり響く真っ白な部屋あかく染まって


目が覚めるかもしれないと考えてちょっと止まって口づけをした


冷静になれるようにと深呼吸それができずにこうなったけど


お高いのを買ってきたの餞にスッと引くよ深呼吸した


君の目が覚めることなどずっと無い今までだってそうだったじゃん


ゴボゴボと排水口がうごいてるお風呂場はすぐ君色になる


感情がこんなに重いなんてこと知らないままで歩きたかった


握りすぎマメが出来てる私の手ベロベロの皮これ何の皮?


ぎゅっとして袋に入る君を見るグッドトリップは直ぐ目の前


半開きのお風呂場から「どうして?」とそんなの君が知ってるでしょう


散らかった私の部屋を片付けるどうせなんにも持っていけない


何もない部屋でぼんやり転がって宇宙のゴミになりたかったな


やったね!もう終わりだよと線を越えわたしは静かにそらを舞った

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第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部 湾野薄暗 @hakuansan

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