第2話 学校で…①
俺は家を出て、最寄りの駅へと向かった。俺の学校は家から5駅離れた場所にある普通の学校だ。駅につき、電車に乗った俺は椅子に座った。すると、近くにいた女子高生らしき子たちの会話が聞こえた。
「ねぇ、やばくない?またビルが壊れたって」
「知ってる。なんでもそのビル、壊されたんだって。」
「え、まじ?壊れたんじゃなくて?」
「そうそう。なんか変な人がビルに向かって手をかざした途端にビルが壊れたんだって。」
「なにそれ〜。そんな漫画じゃあるまし。」
「いやいや本当だって。実際に見た人があるんだって。」
人が手をかざしたら、ビルが壊れた?盗み聞きをするつもりはなかったが、そんな興味深い話をされるとつい気になってしまう。しかし、そんな二次元みたいなことがほんとにあるのだろうか。
そうして学校に最寄りの駅に着いた。駅を出て道を歩く。地球温暖化の影響からか6月でも暑い。そんなことを考えていると、いきなり後ろから叩かれたような衝撃を受けた。
「よっ、湊。何しけた面してんだ?」
「いてぇな。何するんだよ涼介。」
こいつは石松涼介。小学校以来の親友で、顔はいいのにものすごいアホな残念イケメン。女の子から告白されても涼介のアホさに嫌気がさして振られるくらいには極度のアホだ。
「いいじゃん。てか、なんでそんな疲れた顔してんの?」
「え?そんな顔してる?」
「ああ。」
涼介に言われ、少しハッとした。おそらく昨夜のせいだろう。まさか、顔にまで出ているなんて。
それから涼介と一緒に学校へと向かって、下駄箱で別れた。俺と涼介は同じクラスだが俺は委員会の仕事があった。俺は美化委員で花の世話をしなければ行けない。なので俺は花に水をやるためにホースなどが入っている倉庫に向かった。
そして俺は倉庫の扉に手をかけた。が、
開かなかった。
「あれ、おかしいな。鍵は空いてるはずなのに」
俺はそう思いながら力をこめてもびくともしなかった。もう一回開こうとすると、
「いてっ、」
指にちょっとした痛みが広がった。指先を擦りむいたみたいだった。俺はだんだんとイライラし始めて、今度は渾身の力をこめて開いた。そしたら
———ベキベキベキッ———
開いた。いやこじ開けてしまった。正確に言えば破壊してしまった。人がやっとは分からないほど倉庫の鉄の扉がぐちゃぐちゃになってしまった。
超常事象対策特殊部隊 とうもころし @KndGnk
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