第16話 その後に心を埋めた小説家
高校生の終わりの方。
大好きな平井和正先生の小説も粗方、読み終わり、夢中だったウルフガイのシリーズはもう残っていない……そして、幻魔大戦の関連のシリーズはあまり好みじゃ無い。
要はぼくのぽっかりと空いた心の欲求に答えてくれる小説が無いんじゃあ――!!と途方に暮れていた頃(まあ、色々と読んではいたんですよ。でも、求めているのはそれじゃないって言う……)
ぼくの心を埋めたのは、夢枕獏先生のキマイラシリーズでした。完全に求めていたものではありませんでしたが、キマイラシリーズには、自分の体が得体の知れないものへ変化していく恐れや学園での恋や敵とのバトル(それも中国拳法や仙道などを効果的に使うところ)など、など、夢中になる要素がたくさんありました。
あと、闇狩り師というキマイラシリーズに出てくる九十九三蔵という巨漢のお兄ちゃんのシリーズも好きでしたねえ。
それと、獏先生の小説には文章表現で影響を受けているんですね。自分でもはっきりと自覚をしていますが、先生の詩的で情緒的な表現。そして、改行を多く使うところや擬音を効果的に使う表現には、大いに影響を受けています。
先生はその後、エロ・バイオレンス分野の超ヒット作「サイコ・ダイバーシリーズ」を出したり、「餓狼伝」などの格闘小説や山岳小説、釣り小説、陰陽師(安倍晴明ですな)のシリーズなど、などありそうで無かった分野を開拓していくという(それもほとんどがヒットするという)、凄まじい活躍をされていきます。
多作なので、ぼくも全ては読んでいませんが、ぼくの中の原点の一つが、キマイラシリーズだといっても過言ではありません。でも、これ、まだ終わっていないのですよね……。それと、最近の数冊は蛇足のような話が多くて、少し悲しんでます(^^ゞ
願わくばスッキリとする形で、きちんと終わって欲しいなと、そう思っているんですけどね。今日は短いですが、こんなところですかね。
では、また!
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