第12話 片手が武器(前半)

 今回は、以前書いたブログ記事のリバイス版です。


 世の中には、漫画、アニメ、小説と媒体を問わず様々なヒーローものがありますが、片手が義手だったり、武器になっている主人公ってたくさんいると思いませんか?


 今回はそういう物語について、ぼくが知る限り、書いてみようかなと。まあ、そういう趣旨でございます。


 いつもの通り、結構ネタバレしますので、ご注意ください。


 最初は、以前も紹介しましたが、平井和正先生の小説、ゾンビーハンターです。

 エリートレーサーだった田村俊夫は、レース中の事故から奇跡的な生還を果たし、秘密機関に法外な金額でスカウトされます。そして、とある島で過酷な生存テストにたたき込まれるのですが、そこでも持ち前の生命力を発揮しサバイブします。


 しかし、その代償に無くす片腕と片目は、その後それぞれが高性能な義手と義眼に改造され、人間に寄生する不死身の怪物ゾンビーたちと戦うための武器となります。

 当初、デスハンターという漫画の原作であった本作は、初出が1969年でこの手の設定のハシリといえるかもしれません。僕が読んだのは中学校の時です。


 古いと言えば、こんなのもありました。

 仮面ライダー に出てくるライダーマンです。

 悪の組織デストロンの幹部候補であり、科学者だった結城丈二は、大幹部ヨロイ元帥の罠にはまり、片腕を溶かされてしまいます。


 デストロンから逃げ出した結城は、復讐のため片腕を戦闘用のアタッチメント型義手に換え、V3といっしょにデストロンと戦うのですが、変身用のヘルメットを装着することで変身するライダーマンは、改造人間ではなく、強化服によって身体能力を増幅しているだけで、基本人間です。

 最後、プルトンロケットと一緒に消えていくシーン、そしてもV3から仮面ライダー4号だと言われるシーンも、涙、涙です。


 では次です。小学校の頃、ジャンプに載ってた寺沢武一先生のコブラもそうですね。他に似たような作風の漫画を知りません。アメコミのような日本の漫画。左手がサイコガンと呼ばれる銃になっています。


 精神力? 気? 細かい設定は忘れましたが、左手から放たれる光線は主人公、コブラの意思通りに曲がります。全身がクリスタルの敵がいて、光線がすり抜けてしまうコイツには、普通のリボルバー(マグナム)で撃退したんですよ。結構スカッとした記憶があります。でも、なんか少し雑ですね。すみません(^^ゞ


 次は、漫画「寄生獣」です。実写映画やアニメにもなっており、ご存知の方も多いと思いますが、岩明均先生の漫画で、一言で言って名作です。

 ある日、空から落ちてきた正体不明の寄生生物。その多くは、人間の頭を乗っ取り、凶暴な人肉食の生物へと変わっていきますが、主人公の場合、乗っ取りに失敗し、右手だけが寄生生物になってしまいます。


 前半最大の山場が、主人公「泉新一」が寄生生物に頭を乗っ取られた母と戦うシーン。母が、新一を煮えた油鍋から救ったシーンが走馬灯のように過ります。

 また、新一に惚れる不良ヤンキー娘、加奈を待つ悲しい結末も胸を打ちます。


 親子や友人との絆、そして新一と寄生生物「ミギー」との絆の物語です。そして、人間と寄生生物たちが生き残るためにせめぎ合う物語でもあります。


 詳しくは、読んで欲しいのですが、この漫画、本当にオススメです。何というか、いろんなことが腑に落ちます。それでいて、エンタメとしてもきちんと成立している。こんな凄い物語に出会えたことに感謝したくなる。そんな漫画です。


 次も漫画です(^^ゞ

 闇の社会で、最強の護り屋として知られる「たて 雁人かりと」が主人公の漫画。「闇のイージス」。

 主人公は、基本的に銃器・刃物は使わず、鋼鉄の義手と中国拳法をベースにした格闘術で相手を無力化していきます。


 無力化といっても、中々伝わらないと思いますが、鋼鉄製の義手で銃弾も弾き飛ばしてしまうんですね。あります? そんなこと(^^ゞ

 でも、圧倒的な画力によって、不自然に思わせないんですよ。何というか、説得力があるんです。


 バタフライというテロリストに大切な家族を殺されながら、復讐の鬼になる寸前で踏みとどまり、不殺というルールをかたくなに守る男の話は、ハードボイルド

という言葉以外では表せません。


 こんな硬派な作品もあるところが、日本の漫画のすばらしいところ。

 これも、オススメです。


 では、今回はこれくらいにして、後半に続きます笑笑

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