第5話 幼少時の記憶

 今回は以前近況ノートで書いた内容を少し膨らましてみたいと思います。


 幼い頃、家にはいろんな本や絵本がありました。母親が保育園の保母さんだったせいかもしれません。

 その中に因幡の白ウサギやスサノオの八岐大蛇退治、山幸彦と海幸彦の兄弟げんかといった日本神話にまつわる絵本がありました。それは強烈にぼくの脳裏にすり込まれ、今になってキハチ正伝の物語のベースを形作っていると思われます。


 ほかに日本の童話の絵本もたくさんありましたが、それらに混じって外国の童話の本もありました。三匹の子豚や赤ずきん、マッチ売りの少女(何というか報われなさ過ぎ)とかですね。

 あと、我が家は浄土真宗でバリバリの仏教徒なのに、聖書にまつわる子ども向けの本もなぜかあって、その中にあった羊飼いの少年ダビデが、敵の巨人兵士ゴリアテに石を投げてやっつける話が印象に残っています。


 これらの話は勇気を出して工夫をしながら敵や困難に立ち向かう話にも読めますし、ある意味自分本位に敵を殺し、排除していく話にも読めます。……マッチ売りの少女は違う方向ですが、貧乏が生む残酷さ、報われなさは子どもには衝撃です。これらの物語の持つある種の毒が、幼い頃のぼくに影響を及ぼし、結果的に精神性、作家性の土台を形作っているのだ、と思っています。


 ぼくの書く小説のほとんどに、暴力的な表現が多かったりするのは、幼い頃に通ったこれらの物語の影響が大きいのだと思うのですが、実はプラスしてもう一つ大きな要因があります。


 それは、物心ついたときにはテレビでやっていた仮面ライダーやウルトラマンの特撮シリーズの影響です。

 仮面ライダーは1号から、ウルトラマンは帰ってきたウルトラマンからリアルタイムで見ています。初代ウルトラマンとウルトラセブンは後になって再放送なんかで見たんだと思います。


 ちょうど小学校に上がる前後、仮面ライダーはストロンガーでウルトラマンはレオでしたので、小学校に上がると同時に、この2シリーズは一区切りしたように記憶しています。その後、戦隊ものや宇宙刑事のシリーズが始まりますが、そこまで夢中になって見た記憶はないんですよね。



 仮面ライダーやウルトラマンの変身シーン。そして、スペシウム光線やライダーキックといった必殺技のインパクト。

 片やバッタの改造人間で、片や人間と一体となった宇宙人であるが故の孤独。

 おどろおどろしい怪人の数々と、未知の宇宙人や怪獣とのヒリヒリとした緊張感。

 善と悪の対立という単純な図式では済まされないストーリー。



 これらの要素が、ぼくの心にとてつもないインパクトを与えていったのは間違いないです。


 だって、公園ではいつも怪獣とウルトラマンのおもちゃを持って行って遊んでましたし、初めて買ってもらったレコードはレッツゴー・ライダーキック(仮面ライダーの主題歌)でしたしね(^^ゞ


 先に書いた童話や絵本と一緒に、ぼくの心に強烈な毒を植え付けていったこれらの作品は、ある意味呪いのようにぼくの基盤に影響を与え続けていると確信しています。


 なんだか、とりとめがありませんが、今回はこんなところでしょうか。

 では、では。また!

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