予備軍避け師

釣ール

会話からして嫌な気分

 ため息ばかりついたって何も日常も変わらない。

 何か減った気がするだけで特に。


 喫茶店か牛丼か、朝昼晩あさひるばん過ごせる場所はないかいつも確認する。

 今回はそれを辞めた。

 海外でも国内でもこんな用意周到よういしゅうとうさがあっても楽しめないだけ。


 いつもはあまり読まない雑誌を手に新聞も買ってそれっぽく空いていた店で過ごす。


 若者は店員だけで朝は基本的にビジネスマンか年寄りばかり。

 ったく。

 今どき忙しいアピールかよ。朝からパソコンなんざ見たくねえっつうの。

 お年寄りはともかく。


 もうちょっとメニューの味を楽しんだり、忙しい中働いてくださる店員の負担を減らそうとか思わないのかよ。

 それで「生きづらい」とか近年の子供でも言わないように苦労しているのに。


 前に昼間の混んだ喫茶店で過ごした時、耳に入る言葉は本当に生きづらそうで中途半端に富裕層ふゆうそうの女性ばかり。

 あとはゆっくりくつろいでる客。


 予備軍避け師と言われる自分でさえ小言がないといえば嘘になる。

 もうそういったことをはける場所も相手もいなくて長くなった。

 おかげで「悩み予備軍」から卒業だ。


 悩み予備軍。

 誰かに相談したくて仕方がなく、素人だから要らないアドバイスや説教、更なる悩みを有料で奪われる状態。


 余計な悩みを減らすのなら寂しいくらいが良い時もある。

 どうせ人間関係は避けられない。


 あとは色んな予備軍があるぜ。

 老害、搾取さくしゅ、区別による対応で敵を作る・・・こういう時はエトセトラと言いたいが細分化さいぶんか大雑把おおざっぱしか今は出来ない俺も予備軍どころか末期なのかな。


 ああこっちの話だ。


 ちょっと店で聞いた客の雰囲気が朝から良くなかったのでさっさと出ていった。

 何が労働讃歌ろうどうさんかだバカバカしい。

 みんなあえて妥協のためにやってるだけだ。

 おかげで店とかはこういう被害もある。

 成功者とかそういう人間はこういう弊害へいがいまで考えられないらしいからつくづく頭が悪いよ人間は。


 もうこんな予備軍から離れるために、もう少し初々しく生きていくしかなさそうだ。

 自分だけでもだっさないと。


「ああはなりたくない。」って感覚だけはどうしても生まれる。

 恐ろしい世界だからな。ここも。


 だとしたらせめて予備軍から離れよう。

 なりたくてなったわけじゃないならそれは予備軍じゃない。

 自分ではどうにもできない部分、大事な生活を奪われた恨みだ。

 それだけは忘れない。


 綺麗事予備軍と綺麗事だと捨ててしまう予備軍から抜けるためにまたリフレッシュしよう。

 せめて抵抗はしてやる。

 予備軍避け師だから。

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