第27話 初接敵

カ「さあて魔法を解いてやるか」


部屋に置かれている氷漬けのものを解除した。


コ「はあ、はあ」


カ「なんかつらくなさそうだな」


コ「仮死状態って感じだったわね」


カ「仮死状態になったことがあるのか?」


コ「ないけど」


カ「...」


なんだこいつ。


カ「まあとにかくかえった。かえった。もう2度とこんな真似をするなよ」


コ「さすがの私ももうやらないわよ」


カ「ならいいけどな。あー忘れてた」


私はココロについてある手錠輪外した。


コ「まったく、魔力を封印されるだなんて初めての経験だわ」


カ「そりゃこんあ危ないものふつうは流通してないわ」


コ「どっから手に入れたの?」


カ「なんでもいいだろ。ほら帰れ。さもないともう一回つけるぞ」


コ「はいはーい」


そういってココロは部屋に戻った。


一応アサツの部屋に魔法でもかけておくか。


さあてじゃあ昨日はいろいろあってできなかったが、


カ「ここからは」


変身魔法を解除して


魔「楽しい夜の始まりだ」


魔王となり、夜の街へと出た。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



魔「さすがは裁断の壁だな。もうわりと深夜なのにまだまだ明るい」


まあ夜の仕事っていうのもここにはあるからな。あっちの世界にもあったな。明るいブラック労働施設。


これ以上は考えないで置いた。


魔「まあこの姿でそんなところに行っても目立ってしょうがないしな」


とりあえず裏路地のほうへ行った。


ーー


魔「さて数人いるな」


とりあえずまずは聞き込み調査。


男「ひっく。ひっく」


酔っ払い


男「ようねえちゃん。ちょっとこっち来ねえか?」


女「あ?何よ。まずは金でしょ」


男「これぐらいでどうだ?」


...まあいろいろあるしな。


?「ああ、その予定で行く」


フードを被った謎のやつ。こいつはくせえ。


とりあえず近くで聞き耳を立てた。


?「これをすれば間違いなく勇者は離れるはずさ」


勇者?ココロのことか?


?「大丈夫だ。時間は稼げるようにあまり戦わないでもらってにげるように動かす」


戦う?私の勘が言う。こいつは今やらなくていいと。


?「誇り高き竜でも子供にはかなわんさ。いいか。絶対に見つからない場所に隠せよ」


そういって、謎の人物は去ってった。


魔「ほうドラゴンか。あやつらとは度々あってはいたが、獣人型のまま町にでも暴れたらとんでもないなあ」


謎の人物が何か作戦を企てている一方で、また私も別の目的に動くのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



コ「まったく、酷い目にあったわね」


あの後ディナーを食べ終わったであろうカルゼルが帰ってきて、氷魔法と手錠を外された。


私は部屋に戻りベッドで横になった。


コ「まさか私があんな氷漬けにされるとはね。しかもあんなおっかないものまでもているとは」


私が初めて負けたといってもいいぐらいに何もできなかったな。まあ私も抵抗はしなかったんだけどさ。


コ「しかし、おなじ魔法が使えるとはね。あの膨大な魔力消費を扱えて弱いねえ...。少し調べてみる必要があるみたいね」


今日は夜風が気持ちいわ。と涼しい風にあたっていたら


コ「!?」


私が寝ていたら私は窓のほうに何かしらの気配がしたため、寝らがら横を振り向いた。


すると、そこには謎のイケメンが窓に腰掛けていた。


私はイケメンよりも可愛い女の子に興味があるのでどうでもいいけど。


コ「だれ?」


魔「異世界人君初めまして、私のことは知らないかな」


コ「誰よ、あんたなんて知らないわ。いや見たことが...まあなんでもいいわ」


魔「ふふ、まあ私のことは今はどうでもいい」


コ「じゃあ、何しに来たのよ。あなた強そうだけど、今日は見逃してあげるわ。もう疲れているのよ」


魔「わざわざ戦いに来たわけではないからありがたい」


コ「で、なによ」


魔「実は、この町が危機に...とまではいかないが、いろいろとまずい状況になった」


コ「は?」


魔「近々、ドラゴンが来る」


コ「何言ってるの?」


魔「謎の組織がこの町でドラゴンを放つ。標的はお前だ」


コ「ちょっと!それ本気なの?」


魔「なぜわざわざ嘘をつきにこなくちゃならない?」


コ「それは...」


魔「また我らはいつか交差する。その時まで」


こいつはここで去ろうとした。しかし私はそいつが後ろを振り向いた瞬間


魔「...危ないな」


私の剣が男の剣とまじりあった。


魔「今日は見逃すのでは?」


コ「あんなこと言われて、すぐに見逃すとでも?」


魔「まあこうなるのも想定内...」


コ「あなたにはいろいろと吐いてもらうわよ」


魔「私は剣が苦手でね」


剣と剣がまじりあい続ける。そして男が手から剣を放す。


コ「うわっ!」


私は体制を崩しながらこちらに倒れ掛かる。


男はそれを避ける。


魔「寝起きでバランスがうまく取れんのか」


コ「悪かったわね。というかなんで苦手な武器を持っているのよ」


魔「拾っただけさ。この世界は剣を持っていてる人が多いからな」


その男は窓の上に立った。


コ「もし、本当だとしてなんであなたが戦わないのよ」


魔「残念ながらもう表舞台には立てないんだ」


コ「表舞台?」


魔「なんだっていいさ。君が戦ってくれればね」


コ「もし来たら戦うわよ」


魔「いい返事だ!心よ。またその瞬間が来るまで!」


そうして男は去っていった。


コ「はあ、なんだか戦闘する気にも追う気にもならないわね」


口ではああいったが体が重いのか、本能が戦いたくないのかわからいけど、少なくとも今後は少し平和には過ごせないと私は思った。

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のんびりぶらぶら暗躍旅〜元魔王の旅生活〜 魔王さん @kurosiro_neko25

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