第26話 犯罪者

コ「かわいいーーー!」


ココロはアサツに抱き着いた。


カ「なんだ同性が好きなのか?まあどんな形でも尊重されるのが魔族の考えではあるが相手のことを館得ずにそういった行為に走るのはいささか...」


コ「そんなわけないでしょ!」


カ「いやーだって、急に抱き着くとかココロなら犯罪を犯しそうだし...」


コ「失礼ね」


ア「...くるしい」


コ「ああ、ごめんね」


ア「...言っとくけど私はそこまで幼くない」


コ「年齢なんてどうでもいいのよ。大事なのは見た目よ。見た目」


カ「こいつとんでもねえこと言うな。まあいい。お前はこっちの部屋だろ。連れてってやる」


なんだかこいつアサツの近くに置いておくと、危険なにおいがするため離しておかなくては。


コ「ちょっと、やめなさいよ。腕を引っ張らないで。自分で歩けるわよ」


カ「またあとで部屋に行くからその時にでも話す」


ア「...わかった」


私はココロの腕を引っ張って部屋に連れてった。


コ「まったく、無駄に力が強いわね」


カ「あんたがアサツととなりの部屋だというのがすごい嫌なんだが」


*{3 カ 部屋} {2 ア 部屋} {1 コ 部屋}


コ「まったく、大丈夫よ」


カ「まあいい。じゃあな」


ココロは部屋に入った。


カ「おーいアサツ、私だ。部屋に入れてくれ」


扉をノックしながら答えた。


ア「...はい」


部屋の扉が開いた。


ア「...あの人ってさっきの勇者じゃ」


カ「そうだ。ゴミ勇者だ」


ア「...そこまで言う?」


カ「そこまで言う。で、あいつはどうでも...いやよくはないがそれについてはまた後で」


ア「...?」


カ「で、今後の予定はどうする?」


ア「...もう近くまで来たんだね」


カ「そうだな。時間はかかるといえど、もうここから一本だ」


ア「...」


アサツは真剣な目をしていた。


カ「まあすぐにはいかないさ。いろいろと情報を仕入れなくちゃいけないしな。それに仲間とも連絡を取っておかないといけないし」


ア「...ちゃんとやることがあるね」


カ「そうだな。観光もしたいが、割とやるべきこともあるからすぐにはいかないさ」


まあ、仲間なんていないけどな。


ア「...カルゼルはどれくらいで終わるの?けっきょくそれにあわせないといけないし」


カ「三日程度かなあ」


ア「...とにかくおわったら即行くで」


カ「了解」


ここからはアサツの意見を基本的に聞き入れていく姿勢にしましょうか。


ア「...私まだ眠いから、今日はもう寝るね」


カ「ああ、そうだアサツ。ちょっといいか」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



時が少しだけ立ちココロは部屋に居た。


コ「...もうあのおじさんも寝てるかな?」


ココロは部屋をでて、隣の部屋に行った。


コ「ピッキングをして無断で入るのはさすがによくないよね。スキル発動」


酒の席でよくわからない人からいつ使えるのかしかも魔力を多く消費する盗賊のスキル


コ「スキル発動「変化の声音」変化の声音へんげのしきね


コ「おーい、アサツよ。起きてるのか」


カルゼルの爺さんの声をして、アサツちゃんに話しかけた。


ア「こんな時間にどうしたの?」


カ(コ)「いやーあの、そう。予定を決めたくて」


ア「え、でもさっき決めたじゃん」


カ(コ)「まだきめてないことがあったからさ」


ア「そう、わかった」


よしよし、まあ騒がれる前に口を抑えて頑張って説得すれば抱き枕としてあの子を...ぐへへ。


ガチャリ。扉の開く音が聞こえた。


カ(コ)「アーサーツーちゃ...」


扉を開くと出てきたのはアサツちゃんではなく、この声の主のカルゼルだった。


ア(カ)「なーあーにー?」


アサツちゃんの声の真似をしたカルゼルが喋った。


コ「あっとー、そのー」


カ「いやー今日来そうだなと思って待機していたら、まさか自分の声がするなんてなあ?」


コ「えっと...」


カ「いやーこれ魔力の消費がアホほどおかしいから普通のやつには扱えないから完全に忘れていたよ」


コ「すいませんでした!」


カ「許すか!犯罪者が!」


私は自分の部屋に逃げようと思ったが、気がついた時には腕に縄がついていて逃げれなかった。


カ「はっはっは、今夜は寝かさんよ。お前さんにはたっぷりと説教...いや反省してもらうからな」


コ「いーやー!」


私は抵抗虚しく部屋に引きずり込まれてしまった。



ーーーーーーーーーー



ア「...おはよう」


カ「おはよう」


ア「...珍しいね。カルゼルがこんな時間に起きてるなんて」


カ「まあ色々あったんだよ」


ア「...色々?」


カ「知らなくていいさ。なーにただ少しお仕置きをしてるだけさ。死にはせんよ」


アサツはよくわからなそうな顔をしていたが、私の部屋の中を覗くと氷の塊があり、中に人が入っていた。


そこにはココロがいた。私はココロに説教を少しして魔力封印の手錠をかけて氷付けにした。


とりあえず一日はこれで放置でいいか。多分死なんだろうし。


カ「よーし朝食でも食べに行くか」


ア「...あれ大丈夫?」


ココロの目が動いてアサツに助けを求めている。


カ「いいや。これであいつに助けをしたら今みでの時間が全て無駄になる。私が良いと思ったタイミングで解除する」


ア「...なんかあの人のほうが悪そうだ」


ココロの方を向く。


ココロは泣いているのもしれないが周りが氷なので感情がよくわからない。多分笑っているのだろう。

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