第25話 面倒な勇者様

私の独り言に話しかけてきたのは、昼に見た美女の異世界人だった。


?「初めまして。私の名前はココロよ」


カ「そりゃぁ、どうも初めまして。私はカルゼル」


ココロ...心で日本人か?勇者と言われていたな。確かにそこそこは強そうだが。どうやって対応しようか。


カ「それで勇者様が何用ですか?」


コ「別にちょっとだけお聞きしたいことがありましてね。実はあなたを昼に見かけたんですよ」


カ「はあ、そうですか」


コ「そこには随分と可愛らしい子供がいたじゃないですか」


カ「子供ねえ」


アサツって子供ではあるけど、見た目だけなら別にそこまでな気もしなくはないけど。魔人を何年もやってるからか感覚がおかしくなっているのか。


カ「で?なんですか?」


コ「お昼には一緒にいたのに、今は一人だけなんておかしいなあと思いまして。それに」


なぜかココロは剣に手を添える。


コ「随分とたくさんの魔力をお持ちですね」


私はワインを手に持ち眺めながら


カ「まあ魔力量だけならな。別にこの世界は魔力量が強さってわけじゃない」


私はココロのほうに向き


カ「君みたいにね」


にやけながら答えた


コ「へえ、私これでも強いて言われているんですけどね」


カ「世界を見ればもっと強い人は居る。まあまあ、喧嘩を売る気はない。まさかここで何かしようってわけじゃないよな」


コ「本当に売っていないんですかね」


カ「だから、その剣から手を放してくれないか」


コ「...まあ私だって、そこまで短期じゃないわ。ただの威嚇よ」


そのままココロは同じ席に着いた。


カ「...おい、なぜここに座る。今日はすいているぞ」


コ「別にいいじゃない。これも何かの縁だわ」


カ「お前が勝手に絡んできただけだろうが」


コ「私はこの世界にきて、初めて弱いって言われたわ。そんなあなたに少し興味があるの」


カ「やめろ。気持ちわるいな。どっかいけ」


コ「ふふ、確かに今の発言は気持ち悪いわね」


カ「まったく。じゃあ、どうせならその異世界について聞かしてくれよ」


コ「いいよ。何が聞きたい?」


カ「っとその前に」


先に店員に注文した。


その後に色々と聞いたが、日本から来たことは間違いないようだった。


カ「本当にそんな世界があるのか。よくわからんな」


コ「私だってこっちの世界に来た時は驚いたわよ。なんか勇者勇者言われているから悪い気はしないわね」


カ「そういやなんで勇者って言われているんだ?ほかにも異世界人はいっぱいいるだろ」


コ「あら、いるのね。うーん。勇者ってなんで言われているのかはよくわなからないわね」


カ「なんだしらないのか」


コ「魔王を倒すってわけでもないのにね。あっ!」


ココロは何かを思い出したかのように


コ「そういえば、冒険者ギルドで魔力がとんでもないって言われて騒ぎになったわね」


カ「...」


あるあるだな。


カ「まあ魔力量はあんたもすごいもんな。それに異世界人ならいろいろな魔法とか覚えるの得意そうだしな」


コ「魔法を覚えるのって得意、不得意あるのね」


カ「わたしは苦手」


コ「やっぱりなんでもわりと簡単にできるって私才能あるのね」


...多分異世界特典とかじゃないか?知らんけど


カ「そういやココロってずっとここにいるのか?」


コ「ええ、いるわね」


カ「そんなここにずっといて楽しいのか?」


コ「そりゃあどっか遠くに行ってみたいことはあるけどこの辺って魔物が多いのよね。だから私が今は狩らなくちゃいけないじゃない」


カ「そんな友達もいない生活をしていて楽しいのか」


コ「...なんでいないって決めつけるのよ」


カ「いるのか?」


コ「...いないわよ」


カ「勇者様は恐れおおいからなー。だから私もこうやってしゃべっていることがいやだわー。というわけでどっか行け」


コ「もう充分仲良くなったじゃない!」


カ「そうか?もうかかわりたくないけどな」


コ「ひどい!」


と半分冗談を言っていると、料理が届いた。


店「お待たせいたしました。こちら赤身のステーキでございます」


カ「ありがとう」


店「そしてこちらは...当店自慢の高級サラダです」


なんだその商品名。店員のほうをちらっと見ると少し焦っている感じがした。


コ「こういったあえて辺に曲げない名前っていいわね」


今即興でつけたような感じの雰囲気がしたがそれをわざわざ口に出す理由もないしな。


カ「サラダだけか、美容でも気にしているのか?」


コ「そりゃ美しさのために油などは控えていますから」


カ「控えすぎも体に悪いが...まあ食事は自分の好きなように食べるほうがいいか」


ではさっそく、赤身のステーキをいざ実食。


赤身の外はカリッと、中はレアでやかれているためじゅわっと肉の旨みが口いっぱいに広がる。


そんな美味しく食べているせいなのか匂いなのか目でつられたのか。はたまたそれらすべての理由でこちらを向いているのかわからないが、ココロがこちらを向いていた。


ココロはずっと肉を見ている。


カ「なあココロ。お前はあの世界で栄養学を学ばなかったのか?」


コ「栄養学?あんまりちゃんとはやっていないわね」


カ「いいか?確かにこんな肉を毎日食べるのは健康によくない。だがバランスというのは大事だ。そんなサラダばかり食べているのはヘルシーだとしても...」


と私のありがたい説明をしているのにこいつは肉にしか今興味がないのか多分はなしを聞いていない。


私はココロに肉を上げようとした。


コ「...あーn」


カ「はっはー。あむ」


ココロに上げる振りをして私が食べる。


コ「ちょ」


カ「いやー美味しかった」


コ「....まあもともと食べる気はなかったですし」


そういいながらサラダを食べる。


カ「おいおい、恨むのはやめてくれよ。それに食べたければ自分で注文して食べればいいじゃないか」


コ「私の日々の努力をつぶしにかかるなんてくず意外の何者でもないわ」


カ「食事で我慢をする努力なんて本当に意味が分からないなあ。適度に運動していれば大丈夫なのに」


そうしてココロも食べ終えて、


コ「ねえ、というか栄養学とかどこで知ったの?」


カ「なんでそんなことを聞くんだ?」


コ「いやあっちの世界とおなじような感じの内容だったからさ」


カ「知らん。人の体なんてどこの世界でも一緒なだけなんじゃないのか?それよりもいつまでついてくるんだ?」


コ「違うわよ。あなたが私と同じ方向に来るんじゃないの」


カ「おい待て。ちなみに聞くがこの辺に住んでいるのか?」


コ「違うよ。ここ近くの高級ホテルに泊まっているのよ」


カ「...」


コ「ん?まさか」


なぜかその後の時間の進み方は早くホテルに着いた。


コ「いやな運命ね」


カ「まあ考えてみれば、あんなレストラン使っていれば、おなじホテルになってもおかしくはないか」


コ「そういえば、確かに」


ホ「おや?ココロさん。おともだちですか?」


カ、コ「「違う」」


ホ「わお、息ピッタリ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


カ「...なんでとまっているところもお隣同士なんだ!」


コ「そういや昨日ここに住んでいた人が旅にでたとか言っていたわね」


アサツの部屋の前で喋っていたら、アサツが出てきた。


ア「...うるさいなあ。カルゼル帰ってきたの?」


寝起きのような感じをみせたアサツが出てきた。


カ「ああ、そんああんたは今起きたのか」


ア「...違う。起こされた」


カ「おっと、それに関してはすまんかった」


ア「...まあいいんだけどさ、それよりも隣の人は」


コ「かわいいーーー!」


ココロはアサツに抱き着いた。

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