第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト【俳句の部】二十句部門『垂涎』/弥栄弐庫
弥栄弐庫
垂涎
鯛焼の腸垂涎の虚構
白地図を割く境界や蕨餅
やわらかい水平線を掃く茅花
金雀枝や風を宥めている詩歌
囚われにきた雨雫抱く蜘蛛
引力は活字の中にある銀河
蟷螂や海鮮食す構えなり
雷のようなフランベ薬喰
春コート私に似てる垂れボタン
揚羽蝶曾祖母らしい休みかた
新米の旗や空手の子が走る
やわらかい芋になるまで聞く弱音
本日をもって閉店金木犀
砂箱の兵を寝かせるクリスマス
空腹はちょっと死っぽい日向ぼこ
血色のよいトーストや冬薔薇
檸檬忌やスポイトほどの頓服薬
かの僧の言霊フリージアってな
フェイジョアの花をバニラへ添える夏
朝を待つ呼吸向日葵獣めく
第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト【俳句の部】二十句部門『垂涎』/弥栄弐庫 弥栄弐庫 @kind_mango697
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます