過ぎ去った18歳の夏【短歌ニ十首連作部門】

セツナ

18歳。

制服を着てる間は私たち世界一可愛くて最強


パカパカとローファー鳴らすこの靴はシンデレラより私に似合う


彼氏とは恋人よりも優しくて等身大な響きと思う


恋なんて甘い響きは枕元置かれたティッシュと共に捨てた


初めての彼氏はとても背が高く手も大きくて笑顔が好きで


愛なんて呼べないだってこの気持ち人に言えないほどに汚い


制服を脱ぎ捨てたい夜はいつもヒールを履いた足が痛くて


授業中目が合う君と笑い合い怒られた君また2人笑み


可愛いと言って欲しくて1時間、浴衣に浮かぶ桜と汗と


風船のように膨らむこの恋は 膨らみいつか割れちゃうのかな


真実の愛とはなんぞ問われれば君だけ好きな私と答え


お囃子の音に紛れて手を取った君とはぐれてしまわぬように


空に咲く 花火を見上げ 想うのは 誰のことだと 君は思うの?


時間差で知ったLINEの「大好きだ」君の言葉こんなに幸せ。


夏休み溶けるは私それと君 勉強会で麦茶にも汗


バカだから、彼女は言った。茹だる程暑い教室泣きそうな顔


私たち1ヶ月後も見えないよ。5年後なんて分かるわけない


大学に入れば私変われるの?誰も私を見ちゃいないのに


あと5分答案用紙描いたのは、隣の席の君の横顔


進路はさ悩めばいいよ好きなだけ君の未来だ君が決めなきゃ

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過ぎ去った18歳の夏【短歌ニ十首連作部門】 セツナ @setuna30

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