僕は博愛主義なだけ。

僕は夢みる芋虫教教祖。

だから、僕はどんな子も愛す。

みんな迷える子羊なのだから。


リスカをする子、自殺未遂をする子、

変わり映えしない毎日に飽きて迷い込む子

etc…


みんな可愛い可愛い僕の信者達。

僕は教祖なのだから、みんな導いてあげよう。


ある子は重病患者を救う身体の一部に。

ある子は僕の大事なお人形さんに。

ある子は僕を布教する優秀な信者に。


みんな、僕のもの。


なのに、思いどおりにならない変な奴がいる。


夢みる芋虫教を信仰している訳でもない。

僕に依存して性的な目で見てくる訳でもない。


誰かを助けたくて、

ここに縋りついた訳でもない。


僕も何を求められてる訳でないから、

ただ、そいつの傍に居てやることしか出来ない。


だから僕は彼女に聞いた。


「君は僕に何も求めないの?」


こんなに僕は魅力的なのに?

こんなに僕は権力があるのに?

これ程、僕はいい男だ。


なのに、何故?


「貴方は毒だから。」


「私は貴方を見ているだけで十分。」


確かに。僕は考えた事も無かった。


ある子はバラバラにしてから臓器にして、

夢みる芋虫教の寺院病院に提供したし。


ある子は子供を連れてここから出ていったし。


ある子は自己破産してまで、僕を信仰した。


…。


僕って、

俗に言うところの…最低なのかな。

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13姫の呪いの行く末 ほし めぐま @wataamedokusen

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