ただの高校生だった俺に許嫁ができたので、溺愛してきていた姉と妹と幼馴染を振り払って恋愛します!

猫部部員 茶都 うなべ

第9話 凛の微笑みと姉の危機

 たしかに家を出て10分程経っても彼女の家に着く気配がない。

「...ということですの。というか先程からスマホがピコピコうるさいですね。せっかくなのに...」

「この後デートだろ、気にするな。多分姉だと思うそ、急に飛び出してきたし。」

 本当に物理的に、窓からね飛び出したから。

「うぅむ...」

「柚珠姉からだと思う。このまま無視すると

また邪魔させると思うぞ。」

 そしてこのまま連絡しないままだと、市内全部探してまわりそう...と人生全て姉に好かれてきた人間が言うからそうだろう。

「一応見てみてください。見たら負けですが。」

 ...まぁ許可を得たので見てみると、

『たっくんー勇斗がぁ浮気したよぉ泣』

 というコメントと共に写真が送られてきていた。

 そこには眼帯を付けた美しいというより可愛い少女と勇斗さんが水族館に居る写真だった。

「えっなにこれ...」

 喧嘩しつつも仲良かった気がするのに柚珠姉と勇斗さん。弟に付き合うからデートをドタキャンした姉にキチンと別れを告げたのか、さすがだ。

 だかしかしこの横の女性見覚えのあるような...

「その写真は...五十嵐京さんの娘さんじゃないですか?」

「五十嵐京ってあのうっまうっま亭の社長の?」

「そうですそうです。よく知ってましたね。」

 まぁテレビでたまたま見て覚えていただけだが。あそこ本当に美味しいから、好きで。

「まぁ私は食べたことありませんが、五十嵐京さんなら知っています。父の親友でたまに私の家に来ていますし。確か彼には私達と同級生の娘さんがいらっしゃるとかで、確か名前は五十嵐響輝さんとか。結構ハスキーボイスな方ですが見た目はとても愛らしいですよ。(可愛いですか、匠には私が1番似合ってます)」

「コホン」

 運転中の執事さんからの大きめな咳。慌てる凛。...しかしどういう事なんだ。

「とりあえず勇斗さんに連絡取ってみるか。凛、五十嵐響輝さん?って子連絡取れるか?」

「せっかく2人なのに...私と話していればいいじゃないですか。」

 なんか急にデレが強くなってきているし、笑顔が、微笑みが少し怖い。いやそれめっちゃ怖い。だが、これはこれでひけないのだ、頼れる兄貴を失う訳には。後姉が大変荒ぶる気がするので仲は戻すキッカケだけは...

「この後の生活を考えてみてくれ。逃げ出さないように対策されて、柚珠姉から嫌がらせが飛んでくるかもしれないぞ。本当にお願いた。」

「...仕方ないですね。匠の家族とは良好な関係の方がいいですし。白川家の平穏のためには。まぁいいことに家に着くまであと20分ぐらいはかかるのでその間に終わらせましょう。」

 いいや、遠いな。少し遠いってと父さん言ってたけど結構遠くない?!ねぇ父さーん。





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