僕と風俗嬢!⑦

崔 梨遙(再)

1話完結:900字

 風俗通いで、また店外デートが出来る女性が出来た。藍子という女性だった。写真で気に入って指名したことから始まっているから、勿論、(僕好みの)美人! 小柄だがスタイルは抜群! 一緒にプールに行けた時は嬉しかった。そして、服のセンスも良く、いつ見てもカッコイイ女性だった。話題も豊富だし、よく喋る。藍子の話はおもしろかった。最高の恋人だった。


 それで! 肝心の夜なのだが! 夜の誘いは“お断り”されるのだ!


 僕は、店外デートイコールホテルOKだと思い込んでいたので毎回ガッカリした。だが、また、


「崔君、遊びに行こう!」


と誘われる。行き先はいつも藍子からのリクエスト。テーマパークでも、ショッピングでも、水族館でも、映画でも、どこにでも行った。それはそれで楽しかった。


 だが、夕食が終わればバイバイなのだ。どういうことなのだろう? 僕は不思議だった。一緒に歩く時は手を繋ぐ、腕も組む、誰がどう見ても恋人同士だろう。


 何故だ! 何故、藍子はホテルの誘いを断り続けるのだろう?


 そして、その日もホテルの誘いを断られた。そこで、普段は言わないのだが、遂に僕は言った。


「あのさぁ、せっかく付き合ってるんやから、たまにはホテル行こうや」

「付き合ってる? 誰が?」

「え? 藍子と僕やけど」

「え? 私、彼氏いてるで」

「え! マジで?」

「うん、風俗やってることは言ってないけど」

「ほな、僕は何なん?」

「え! 遊び相手やんか。私と遊んでたら楽しいやろ? 私も楽しいねん。それでええやんか」

「確かに藍子と一緒にいると楽しいけど」

「彼氏、エリートで忙しいからあんまりデート出来へんねん。ほんなら私が退屈やんか? だから崔君に遊んでもらってるねん」

「僕、藍子の恋人やと思ってたわ」

「あ、ごめん。勘違いさせてたんやね」

「うん、ずっと勘違いしてた」

「恋人かぁ、彼氏に惚れてるから崔君とは恋人になられへんわ」

「そうか、それは残念やなぁ。藍子の恋人になりたかったのに」

「遊び相手として、これからもよろしく!」


 藍子が手を出してきた。僕は藍子と虚しい握手をした。


 そして、また藍子から電話がかかってくる。



「崔君、遊ぼ!」







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