短編3部作 降伏します(byイタリー)

赤ぬこ むぎ猫

第1話 降伏します

「降伏します」



イタリア王国が発したその一言で日独伊三国が揃っていた枢軸国会議室は氷河期の様な空気に変わる

ドイツが机をバンと叩きイタリア王国に向かって指を刺し

「イタリア王国っていつもそうですよね!三国同盟や枢軸国の事なんだと思っているんですか!」とイタリア王国を糾弾する。

「ドイツさん、やっぱりイタリアは裏切ったでしょう?それで、話はそれだけかしら?イタリア」

日本は腕を組みながらイタリアにシベリアの様に冷たい視線を向ける

「あぁ...そうだ、そして俺はもうこの戦争を降りる。じゃあな」


「待ちなさい!」

ドイツは右の椅子に掛けていた短機関銃MP42でイタリアを止めようとする

それを横目に冷静に判断していた日本はイタリアを皮肉を込めてこう呼んだ

「やっぱりイタリアはヘタリアね、第一次世界大戦の敗戦国の癖にまだ勝ち組のつもりなのかしら?あなたの代表ドゥーチェは既にドイツの元にいる事を忘れないことね。」ドゥーチェとはイタリア王国代59代首相にしてファシスト党総統ベニート・ムッソリーニの事である。



「あの男はもう必要ない。俺はファシストを辞めたんだ」

そう言ってイタリア王国は会議室から出ようとすると

「そう....残念だけど、貴方を此処から返すわけにはいかないの、此処で死んでくれる?」



「!?」




つづく

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