③イグナシオ

イグナシオ/花村萬月


この本を買ったのは高校生の時だったと思います。十年以上前なので、書店で買ったということしか覚えていなく、どういうきっかけで買ったのかは全く不明です。

表紙買いしたわけでもなさそうなので、本当にたまたま目について、だったのかもしれません。



愛称をイグナシオ、という混血の少年は親を知らず、修道院とは名ばかりの養護施設で生活していた。

そこでイグナシオは親友を殺害し、修道院一の美女であるシスターと結ばれる。


檻の外の世界を知りたくなったイグナシオは養護施設を抜け出し、新宿に辿り着くと、ヤクザの組長大谷に偶然拾われ、新宿歌舞伎町のアンダーグラウンドの中で生活していくこととなる。


イグナシオと同居することになった大谷の腹違いの妹茜をはじめ、風俗嬢、キャバクラ嬢、ヤクザと関わり合いながら、彼は自身の生きる意味や自分の中に潜む暴力衝動について考えを巡らせていく。また、彼の突出した容姿や頭脳が良い方向に働かないことにも頭を悩ませていた。


そういった生活の中で暴力衝動はだんだんと膨らんでいき、自身や修道院で結ばれたシスターが自由を失くしたことによって暴発、思わぬ事態へと発展していく。


クライマックスでのイグナシオの暴走は読みごたえのある長さ、しかし疾走的に書かれていて、①でも書いたようにクライマックスが盛り上がる話が好きな私にとっては溜息ものでした。


この本の魅力を分かりやすく説明するのは難しいですが、「美男子」「神とは?祈りとは?」「圧巻のクライマックス」「アングラ感」といった要素が好きな方は是非ご一読を!(二十年以上前の本で、そんなに有名ではないので手に入らなかったらすみません)


ちなみにイグナシオと同居していた茜という風俗嬢ですが、私はこのキャラがすごく好きなのもあって、以前自分のペンネームにしていました。


以上、私の大好きな本を紹介させていただきました!どれか一つでも興味を持っていただけたなら嬉しいです(*^_^*)




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深雪が愛してやまない小説3選 深雪 了 @ryo_naoi

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