②犭(ケモノ)

鬼の跫音/道尾秀介 の短編集に収録されている短編のひとつです。


もともと道尾先生の本は好きで、この本を書店で見かけた時にあらすじを読んで惹かれたので買いました。



予備校生の少年が、自室で壊してしまった椅子にメッセージが彫られているのを発見する。その椅子は刑務所作業製品(受刑者が社会復帰の練習などの為に造ったもの)で、四十年ほど前に家族を惨殺した少年Sが刑務所で彫ったものだった。

予備校生の少年はそのメッセージの意味をどうしても知りたくなり、彼の家があった福島県に赴き、Sの関係者と思われる人物達に真相を尋ねに行く。


Sの妹(事件当時まだ赤子で、Sの凶行を逃れた)と思われる人物には門前払いを受けた少年だったが、当時彼の家に出入りしていた左官職人から話を聞くことに成功した。

そこで少年は、美男子に産まれてしまったが故にSが受けていた仕打ち、逃れられなかった不運、Sの狂気に至るまでを知ることとなった。


そしてこれだけでは終わらない。最後の最後で、更に追い打ちをかけられます。凄惨な話、救いの全く無い終わり方が好きな方はぜひご一読を!

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