『児童虐待』がテーマにあるミステリーです。親の視点、子の視点、周りの視点を巧みに使い、虐待の苦しみや問題解決の難しさを描きつつ、徐々に事件の真相に迫っていく構成がお見事です!センシティブな内容であるため、作者様はできるだけソフトな表現に抑えて、この問題の深刻さを作品の中で訴えています。子供達を思う作者様の優しさが、作品を通して伝わってきます!
本作は、毎回異なる登場人物の視点で語られる、幾多の物語で構成された、一つの物語です。その作品構成の秀逸さもさることながら、個々の登場人物の在り様を、鮮明に描く作者の描写力に、つい引き込まれてしまいます。物語はまだ序盤と思われますが、今後の展開が非常に楽しみな秀作です。是非、ご一読されることをお勧めします。