惑星破壊者フガル
貴機器
プロローグ
蒼い大きな惑星が広大な宇宙に一つ佇んでいる。その惑星の前に一つの小さな宇宙船がある。その宇宙船の上に一人の男が立っていた。
男は叫ぶ。
「『プラネットエクスプロージョン』ッ!!」
一つの大きな惑星が大爆発し、静かに消滅した。
大爆発した原因は、俺の能力によるものだ。
俺は、惑星のような大規模なものでも破壊することができる能力を持っている。
俺の一族は、生まれながらこの能力を持っている。そのため、俺の一族は、代々惑星をこの能力で破壊する仕事に就いている。
はっきり言おう、俺はこの仕事が大嫌いだ。
「任務の完了を確認した。ごくろう、報酬は用意してある。次も頼むぞ、惑星破壊者フガル。」
「……はい、ありがとうございます。…では、失礼します。」
俺は今、破壊した惑星の最寄りの惑星であるアンジュルの、ビデオ通話ができる機械が置いてあるホテルにいる。先ほどビデオ通話をした人は、宇宙連盟の重役だ。
俺の仕事である惑星破壊は、宇宙連盟のお偉いさん方が依頼をしている。
宇宙連盟っていうのは、宇宙の平和を維持するために、宇宙中の先進惑星が集まって設立した組織である。
いい組織だと思うよな?だが、この組織は腐っている。
宇宙連盟に加盟している惑星は353個、いや、352個。その中で、物凄く発展している惑星は、5個。その5つの惑星が宇宙連盟を腐らせている。
自分たちの利益が減らないようにするために、自分たちと同じくらい発展しそうになると、惑星破壊者を雇い、破壊させるという人道に反する行為をする。
…やらなければいいじゃないか、と思うだろ?
だが、俺たち惑星破壊者はそう仕事せざるを得ない状況に追われているのだ。
現在いる惑星破壊者、全員俺の家族だが6人いる。
父、姉、兄、祖父、妹、俺の6人だ。仕事は、ローテーション方式でやるように宇宙連盟からいわれている。
父→祖父→兄→姉→俺→妹の順番だ。
一人が仕事しているとき、それ以外の5人とその家族は、一人一人違う宇宙連盟が管轄している留置所に収容される。仕事を意図して失敗したり、留置所で暴れたりすると、一族全員が即、処刑される。
そう、生きるためには奴らの言いなりにならなければならない。
だから俺は、この仕事が大嫌いだ。まあ、ほかにも理由があるのだが…。
惑星破壊者フガル 貴機器 @koruda
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