第12話 4日目 取り敢えず食べてみますわ

 スライムに寄生されたのにも関わらず、めげないで探索をしていた。


「あの実はなんですわ?」

「ゴブブ!」


 黄鬼が自分に任せろと、胸を張って木を登り始めた。


『お嬢に良いところみせたいんだな』

『あの黒紫色のトゲトゲの実はなんだろうな』

『形はドリアンぽいわね』


「黄っくんファイトですわ〜!」

「ゴブゴ!」

「黄っくん前!前ですわ!」

「ゴブ!」

「にゃ!」

「ゴブフ?!」

「シャー」


 黄鬼の前に突如現れたのは深緑色の大蛇だった。


[【擬態ジャイアントスネーク】が現れた!!]


 黄鬼は慌てて木から手を離した事で、【擬態ジャイアントスネーク】の噛みつき攻撃を奇跡的に交わした。しかし、黄鬼は自由落下を開始していた。もう涙目である。地面と打つかるギリギリでクイーンにお姫様抱っこされた。


「ゴブゴ♡」

「にゃー」


『これが恋?』

『ナイス!』

『いやいや!ゴブリン×猫とか誰得よ』


 頬を赤らめる黄鬼。クイーンは、苦虫を噛むようにポイっと投げた。そんな事を悠長にしていたものだから、頭上から【擬態ジャイアントスネーク】が迫って来ていた。


「クイーン上ですわ!」

「にゃん!!」

「しゃー!!!」


 クイーンの右アッパーが【擬態ジャイアントスネーク】の胴体に当たるが、あまり効いておらず頭が迫る。噛みつき攻撃を交わしざまに、逆にクイーンが喉元に噛みついた。


「しゃー!」

「みゃ?!」

「クイーン!二人とも加勢お願いしますわ!」

「ゴブ!」

「ゴブブブ!!!」


 クイーンに巻きつき締め殺そうとして来た【擬態ジャイアントスネーク】に、斧を持った二人が攻撃を仕掛ける。


『あうー』

『ゴブリンくんたち攻撃力低いなー』

『クイーンちゃん頑張って!!』


「ふしゅー……」

「にゃおー!!」


 視聴者の応援が届いたのか、クイーンは【擬態ジャイアントスネーク】の首を引きちぎったのだった。

 クイーンは勝利の雄叫びを上げ、ゴブリンたちは小躍りを始めた。


「さて、これをどうやって持ち帰りましょうか?」


 トモが悩んでいると、胴体の一部を残して何処かへと消えた。


[【擬態ジャイアントスネーク】を討伐しました。討伐報酬。【大蛇の目】【大蛇の牙】【大蛇の肉】【大蛇の毒】【擬態皮】を獲得しました。アイテムBOXに収納されました。また、【大蛇の肉】は収納しませんでした]


『流石zooonline、勝手に討伐報酬を収納してくれる』

『分かるわ〜モンスターの解体とか、わたし苦手だから』

『任意で解体も出来る見たいだけど、【解体】スキル無いと素材がボロボロになるみたいだしな』


「そうでしたわ。あの実取って来て貰えるかしら」

「にゃー」


 クイーンは流石の早さで木を登り、空中で三回転してシュタッと着地した。


「ゴブ〜」

「ゴブゴ〜」

「おー」


『ナイス回転!』

『これは投げ銭しちゃいますわ!』


 次の日の朝、いつもより玄関前に置いてある、お金が多くて仕舞うのが大変だったとか。


「取り敢えず食べてみますわ!」

「ぎにゃ!」


『お嬢ワイルド!!』

『?お嬢の顔が青ざめ』


「し……渋柿ですわ……」

「ごぶ?!」

「ゴブゴ!!」

「にゃ!!」


[トモは【渋トゲの実】を食した。トモはあまりの渋さに状態異常【気絶】になった。熟していなかった為、トモは状態異常【食中毒】になった。【寄生グリーンスライム】が【食中毒】を治した。称号【毒食の探究者】を獲得しました。防御力が五十上がった。スキル【毒愛好家】を獲得しました]


【称号:毒食の探求者】

 効果:毒物を食べると能力が上がる。

 取得条件:毒物を躊躇なく食べ、自力で毒に打ち勝つ。


 スキル【毒愛好家】レベルEX

 効果:毒に対しての痛みが無くなり甘味に変わる。毒を食べれば食べる程、自分の体液に毒の効果が付与される。


 トモは明日の朝まで気絶するのだった。


 トモ

 レベル1

 HP:10/10(+ボーナス3)

 HPⅡ:500/500

 MP:10/10(+ボーナス55)

 筋力:3(+ボーナス29)

 魔力:10

 防御力:5(+ボーナス95)

 敏捷:-100


 スキル

 ・【菜園管理】レベル3

 ・【第二ノ生命】レベルEX

 ・【毒愛好家】レベルEX


 魔法

 ・なし


 称号

 ・【ゴブリンの友人】

 ・【グリーン寄生人間】

 ・【毒食の探究者】


 友達手帳

 ・一本角の青鬼くん

 ・二本角の黄鬼くん


 寄生生物

 ・寄生グリーンスライム


 家畜

 ・ニワトリ沢山


 持ち物

 ・【お肉栽培キットEX】

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