第4話終末
「はーいもしもし?加瀬ー!あれぶりだな!どうした?」
「あー…三日後にさぁ、ちょっと家に来てほしいんだよ」
「お?三日後?」
「うん、ちょっと忙しいから連絡返せないかもしれないけど、三日後、鍵開けとくから十二時とか十三時とかにきてよ」
「オーケー!わかったよーうん、了解!そんじゃ三日後なー!」
【りつー!加瀬生存確認w三日後家覗いてくるわーなんか忙しいんだって!なんか始めたのかな?!】
【よかったーその時そらちゃんから見て大丈夫そうなら今度私も会いたいなー】
【うすうす思ってたけどよう、お前心加瀬に持っていかれてね?】
【からかわないでください!】
「うし、報告完了…」
迷った挙げ句におみあげは買っていかないことにした。
シュークリームの感想を聞けてねぇからなぁ。
「…?」
ポストから郵便物が飛び出ている。
「忙しいって外にでる事柄じゃねぇのかなぁ」
ピンポーン
……
………
返事くらい、あっても良くねぇか?
いつも見もせず掴むドアノブがやけにオーラを放って見えた。
「……この早とちりは失礼だろ」
ガチャ
「おじゃましまーす!」
…
……
…………あ
リビングへの扉のすりガラスに足のつかないシルエット。
ああ、そうじゃん
いや見るまではわからない
いや、わかるだろ
ドッキリ?あいつが?
ドアノブ。
ドアノブ。
銀色、キラキラしてるのはラメ、なんでドアノブってラメが入ってるんだろう。
曲線、ドアノブってよく見ることはないけどいい感じの曲線。
ドア。
ドア。
この先。
…………
…………………
「うっ、グ…あ、ああ…ははは…ごめんね、間違ってたよ…なッナ、何を間違ったのかは、どこっ…からぁ……な、な、な、何を間違えたのかは、わかんないけどぉ、う、うぅあああぁ…」
二人で遊んだ、三人で遊んだ、二人で悲しんで、二人で乗り越えて、成長しても遊んで。
「このオチか…」
カバンに手を突っ込んでいつか入れてたチョコを口に放り込む。
「しょうもな」
加瀬の家族と私もりつだけで、葬式は幕を閉じようとしていた。
「ごめんな、りつこんなことに巻き込んで」
「いえ、あのクソ姉の被害者ですから、最初から無関係ではないです」
「その姉ってどんな奴なんだ?」
「チャラいしょうもない男数人が本命、真面目な男に世話やいてもらって都合が悪くなったら切る、まさか五年なんて期間の被害者が出るとは予想しませんでしたが」
「連絡、つかないのか」
「私の知る人は誰もなにも知りません」
「そうか…」
「なぁーんかなぁ…どうすれば良かったんだろうな」
「…さぁ、どうしようもなかったのかもしれませんね」
「そう、するしかないな」
「なんか、疲れましたね」
「そうだね…」
「姉さんのことなんか忘れて、また生きていってほしかったな」
「また遊びたかったな」
「あー、私来週温泉旅行行こうかな」
彼女の願い @AOIHOSITOSIRUKU3251
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