【最終話】バトルロワイヤル

俺が殺した後から数人の悲鳴が聞こえ、もう何人かが死んだことを確信した。


また隠れていると、足音が聞こえ、静かに後ろへ忍び込みナイフを突き立て殺した。


「うあぁあぁーーー」


この悲鳴にも、もう慣れた


「お、お前、港か?」


「け、圭介」


「おい、何でだよ最後まで生き残ろうって言ってたじゃねぇかよ…」


そうだ俺は親友の圭介と最後まで生き残ると約束していたんだ


「ごめん!圭介、本当に気づかなくて、」


「言い訳はいらな…」


死んだ、俺は大親友の約束を踏みにじり、最後の言葉さへ言わせてやれなかった…


今まで人を殺す事に何も感じなかった俺が初めて

膨大な罪悪感と激しい嫌悪感に襲われた


溢れる涙を抑え、圭介の分まで生きると決めた…


全然人を見ない、少し山を回っているが死体しか見えない…


後何人なのだろうか…俺は後何人殺せば良いのだろうか…


「後二人、後二人だ」


ゲーム開始から3時間が経ち痺れを切らしたのか

男が残り人数を教えてくれた。


後二人、後1人殺せば俺は自由。


だが探しても探しても見つからない、と思ったが


「ウラァ!!」


激しい声と共にナイフが飛んできた

声のおかげで避ける事ができ、相手を見ると…


「朝宮?」


切りかかって来たのは朝宮だった。


「港、私は貴方を絶対に許さない。今ここで殺す。」


「俺だってもう失う物は無い全力で殺しに行く」


二人一斉に飛び掛かり、殺し合った


「痛った…」


「ウラァ!」


「キャーーーーー」


俺は朝宮に飛び掛かりナイフを上げた。


「こ、殺せねぇよ」


後、数十センチナイフを降ろせば良いのに、手が動かない…


「ごめん、朝宮、俺本当に必死で、何としてでも朝宮は助けなきゃ生かさなきゃって思って、でもそしたら朝宮は助けたいって思ってて、」


涙溢れて上手く喋れない…


「それで、それで」


「もう良い、もういいんだよ。ありがとう

港君」


グサッ


「朝宮?何してるの!?ここで死んじゃ駄目だって!二人で生きよう!」


「ありがとう、私も港君の事、好きだったよ

ごめんね、じゃあね」


「待ってよ…早いよ、早すぎるよ。」


「Congratulations!!」


男がそう言い俺の前に来た。

初めて見るその姿はとても秀麗だった。


「いやぁーおめでとう、最初から最後まで本当に凄いゲームだったよ、本当にありがとう、そしておめでとう」


男が話す内容なんか入って来ず、ただ朝宮の事でいっぱいだった


「まぁこんなデスゲームをクリアしたんだ何か褒美位あったっていいだろ?お前の願いを一つ叶えてやる、本当に何でも良い。考えろ」


何でも一つ?俺は一つしか思いつかなかった。


涙を堪え男に言った


「これからは平凡な普通の人生を送らせて下さい」


「本当にそれで良いのか?もっとあるだろ?

大金持ちになりたいとか」


「いえ、これでいいです、いや、これがいいです。」


「わかったではお前はこれからは平凡な普通の人生を送らせる。」


「うわぁ!」


目が覚めると俺は自分の家のベッドにいた…


「港!早く起きなさい、ご飯できてるよ!」


夢なんかじゃない、あのゲームの事は鮮明に覚えている。本当にこれで終わったんだ。


「じゃ気を付けてね」


「わかってるよ、行ってきます!!」





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DEAD-ROOM チョコレファリー @tyokolefaly

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