ラストゲーム

人が少なくなっていくチームでは、段々とチームワークの乱れが見えてきた。


もうチームでの勝ちはないからと自分だけで攻める


ものがほとんど、朝宮はチーム2位の6人だった。


あんなに人を殺す事に躊躇していたのに…


制限時間は後10分を切った


「後はボール回して時間使おう!」


「おい!早く投げて来いよ!!」


相手チームが焦って挑発してくるが、俺達は微動だにしない


「おい…頼むから頼むから、ボールをくれ…」


まだ試合中なのに泣き出す奴もいた…


そして人数比がひっくり返ることもなく、俺等は勝つことができ、相手も上位2名の石川と朝宮が生き残ったが、自チームの外野は当てることができず死んだ…


残りの人数は11人で最初の頃から大分減ってしまった。


「お疲れ、次はこの11人でラストゲームをしてもら

う残れるのはたった1人、今からお前等には俺が用

意したバスに乗って山まで行ってもらう、」


山?なんで、今まで学校内で済ませていたものを

下手すれば自分が捕まるリスクさえあるのに…


「じゃあ早くバスに乗れ、少しでも逃げる素振りを見せたら殺す」


そう脅され全員バスに乗った


「あ、あれ?意識が…」



目が覚め、周りを見ると自分と同じ様に眠っていた、カーテンを少し開け外を見てみると、そこには

緑の生い茂る山が広がっていた、


「な、何だコレ!?」


他の奴らも起き出した。


「おいおい、俺等を閉じ込める気か?」


「皆起きたようだね、じゃあバスから降りて、それから説明するから」


まだ起きていない目を擦りながらバスを後にした


「じゃあ説明していこう、ここは神奈川の広い山、お前等はここでラストゲームをしておらう、

そのゲームはこの山を使った殺し合い、バトルロワイヤルだ、しかも以前みたいに俺が殺すのではなく、殺すのはお前等だ。」


ということは自分の手で人を殺めるってことか?


「今からお前等には一本のナイフを渡す、その一本で殺れ、もちろんナイフ以外も使って良い。」


力もない専門的な技術があるわけでもない俺に

どう勝てって言うんだ…


「このゲームにおいては制限時間は設けない、1人だけになったらゲームを終了とする。学校鬼ごっこと同様、最初の15分間は準備時間とし、殺し合いは禁止とする。では始めろ」


なんにもない俺が勝てる唯一の方法、それは不意打ちだ、その一発を外したら俺に命は無い


とにかく俺は隠れた人気の無い草陰に


そしてゲーム開始のチャイムが鳴り、ゲームは始まった。ここからは言い訳のが効かない、相手も本気で殺しに来るはず。


一望を見渡せるとこに隠れたが、未だ戦う奴はいない。


タッタッタッ


足音が聞こえる、ここの近くだ。

そっと草むらから顔を出し、辺りを見渡す。


いた…ここは見渡しが良い、ここを狙うやつも少なくはないのだろう、殺ろうと思っても体が、足が動かない…止まらない手足の震え、でも殺るしかないんだ。


そっと近づき様子を見ている相手の背中を裂く


ギジャ


鈍い音と共に悲鳴が飛び返った


「ああああああああ」


耳に響く悲鳴、高鳴る心臓、高揚感、何もが気持ち良かった。もう手足の震えも緊張もないこの調子で俺は2人殺した…


そう、殺したんだ自らの『手』で。















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