第5話 母と見る 扇子の花は 物語る 知らない祖母の 紫陽花嫌い

母と見る

扇子の花は

物語る

知らない祖母の

紫陽花嫌い


ははとみる

せんすのはなは

ものがたる

しらないそぼの

あじさいぎらい


 先日、母と自分に扇子を買おうと思いまして。

店頭で色んな柄の扇子を広げては閉じ…を繰り返していました。

扇子の柄は花が描かれていることが多く、紫陽花が描かれている扇子を広げた時に母が言いました。


「おばあちゃん、紫陽花嫌いだったのよね。知らなくて、母の日に植えに行ったら、『嫌いだ』って言われちゃって。あはは」


 おばあちゃんっ子だった私も、それは知らなかったよ!


 もう亡くなっちゃった大事な人の、まだ知らないエピソードが聞けて、なんだかすごく嬉しかったんです。

 母と一緒に扇子を選ばなければ、聞くことがなかったからもしれない、おばあちゃんは紫陽花が嫌いだった。というエピソード。

 脳裏に、おばあちゃんの笑った場面が浮かびました。色褪せずに残ってるんですよね。


 色んな人に物事に、ありがとう。

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まるで、日記のような。忘れてしまう日々をここに。 鹿嶋 雲丹 @uni888

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