第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部二十首連作部門

ナナシリア

第1話

「おはよう」と元気な声で笑いあう十年前も君がいたよね


懐かしい彼女の隣は知る君五年が経ってまた君がいた


六年目ようやく君を好きになるあと四か月それからずっと


紙切れにメモした言葉君が見る僕の想いは伝わったかな


「ごめんね」と告げるその声震えててそれでも僕は知らんぷりした


悲しくも桜のにおいいざさらば君と再び会えるといいな


中学は思ったよりも近かっただから普通に君がいた


これからも仲良くしたい遠くから隣のクラス君を眺める


君のこと忘れられないいつまでも手を伸ばしてもまだ届かないけど


隣でも君と話せる日は来ない勇気を出して声をかけたい


無理だろうわかってるけどどうしても君が好きだと何度でも言う


見渡すと同じクラスに君がいた見慣れたメンツ立ち並ぶ部屋


「おはよう」と君に声かけ薄く笑うやっと話せた久しい君に


時が経ち僕は変わって君も変わるそのことをただ嬉しく思う


いつだって君は笑顔でそこにいて僕の笑顔は雲に隠れて


子供時代終わりは徐々に迫りくる進む先ではもう会えないか


「合格者は昼より後に来てください」君と僕との視線が合った


明日から待ちに待ってた春休み君と会うこともうないだろう


「おはよう」と口には出さずチャリの上毎朝笑って手をただ振って


通学路ただ一人だけ自転車で少し前から君と会えない

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第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部二十首連作部門 ナナシリア @nanasi20090127

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