異世界俳句(弐拾句部門参加作品)

バルバルさん

異世界俳句

炎酒飲む顔紅き守衛かなほのおざけのむかおあかきしゅえいかな


土剣飾る奥方おくゆかしつちつるぎかざるおくがたおくゆかし


雲母蟹石喰らい鳴る山の声うんもがにいしくらいなるやまのこえ


新妻やルビーグラッセ涙味にいづまやるびーぐらっせなみだあじ


蛇毒草傘に変え待つ子妖精じゃどくそうかさにかえまつこようせい


骨ナイフ聖香木を削りけりほねないふせいこうぼくをけずりけり


海夜空星の煌き蒼く降るうみよぞらほしのきらめきあおくふる


果ての海リヴァイアサンの子至れりはてのうみりヴぁいあさんのこいたれり


月隠れ海王祭に沈む舟つきかくれかいおうさいにしずむふね


尾をすけば初毛がわりが絡みけりおをすけばはつけがわりがからみけり


龍月酒あおる娘や薄涙りゅうげつしゅあおるむすめやうすなみだ


魂を送り川往く冬蛍たましいをおくりかわゆくふゆぼたる


流星雨仄かに香る果乳香りゅうせいうほのかにかおるかにゅうこう


星の子や空海知りて福となすほしのこやそらうみしりてふくとなす


天を焼き魔を鎮めたる星樹光てんをやきまをしずめたるせいじゅこう


乾き川流れる砂塩汲む娘かわきがわながれるさえんくむむすめ


夜市の夢にも響く競りの声よるいちのゆめにもひびくせりのこえ


氷噛む塩酒売りの壺太鼓こおりかむしおざけうりのつぼだいこ


雪雲を溶かし煮て飲む薬売りゆきぐもをとかしにてのむくすりうり


雲埃立て駆けたるは鳥飛脚くもぼこりたてかけたるはとりびきゃく

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異世界俳句(弐拾句部門参加作品) バルバルさん @balbalsan

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