第4話

イラスト

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「なにだよこれ……!ウゲッ!くそがっ!」「汚えっ!臭えっ!お前が考え無しに絡もうとするからこんな目に遭ったんだぞっ!」

「あの糞便女め。今度見掛けたら、ただじゃ済ませねえ」「それ、今言うこっちゃないだろ。早く身体を洗浄しないと、病気になる。いや、病院に行かないと駄目だな」

 吐瀉物と糞便の入り混じった汚物を顔面から浴びた不良中学生たちは、パニックになりながらもその元凶たる女から必死に逃げて、何時の間にか辿り着いていた公園の水場で顔を洗い、やっと人心地着いたところである。

 本人達は、何とか事無きを得た様に勘違いしてしまっていたが、実は時既に遅く、彼らは浴びせられた不浄なる汚物から、超病原性腸内細菌の群体である下痢便生物に体内に侵入されてしまっていた。

 彼らの体内に潜り込んだ下痢便生物は、瞬く間に腸内で増殖した。彼らの体調に異常が生じるまで、然程の時間は要しなかった。

 暫くすると、彼らも次第に苦しみ始めた。強烈な腹痛と吐き気に襲われ、立っておられず路上で蹲り悶絶した。

 予定調和が訪れるかの如く、程無く彼らも2人して、口から豪快に嘔吐を繰り返し、尻からは延々と下痢便を垂れ流し続けた。

 彼らが、下痢便生物に奉仕する運び屋に改造される運命に殉ずるのは、もう時間の問題である。

 深夜の公園に、彼らの苦鳴が響き渡った。




 場面は変わる。

 哲也を病院へ搬送し終えた救急車内、救急隊員の田中と佐藤、そして運転手の鈴木は、過去に一度も見た事の無い尋常ならざる特殊な病態の急病人の観察から解放され、やっと一息つけると思っていた。

 しかし、その安堵感は、車内に残る糞便臭で、すぐに不快感へと変わった。

「くっせえ……」田中はマスクを外し、深く溜息を吐いた。「車両の除菌消毒用にオゾン発生器を積んであるってのに、まるで効果を感じない。どうにかならないのか、この臭い? どんだけ頑固なんだよ」

 佐藤も同意を示す様に眉を顰めた。「本当だよ。完全に全身に臭いが染み付いていやがる。シャワーを浴びないとダメだな、これは。……浴びても、直ぐには臭いが完全に抜けなかったらどうしよう。流石にそれは無いと思うけど」

 運転席の鈴木も窓を開け、苦虫を噛み潰した様な顔をして頷いた。「早く戻って消毒脱臭しないと、次の出動に影響が出るな。臭いがこのままじゃ、この車、2、3日は使い物にならんぞ」

 エアコンを送風状態でフル稼働して空気を対流させても、救急車内にはまだ下痢便の強烈な臭いが漂っていた。田中はシートに腰を下ろし、頭を抱えた。

「何だろ。ずっと臭気を嗅ぎ続けていた影響かな。ちょっと気分が悪くなってきたかも……」胃液が喉元にまでせり上がりそうになるのを我慢して、彼は苦しそうに言った。

「ああ、俺もだ、さっきから、なんかおかしい……」佐藤もギュルギュルと鳴り始めた腹を押さえながら表情を歪めた。

 鈴木はバックミラー越しに二人を見て、不安そうに声をかけた。「大丈夫か?お前ら、なんか顔色が悪いぞ。死人みたいに蒼白で……」

「あ……ああ、しんぱ……い……な」田中は答えかけたが、途中で突如として腹部に激しい痛みが走り、呻き声を上げた。「うっ、だ、駄目……は……腹が……!」

 佐藤も同様に耐えきれず、シートに倒れ込んだ。「ぐぅ。くそっ、腹が急に痛く……うぶっ……なって……おえぇぇっ」佐藤の口から噴水の様に嘔吐物が吹き上がった。

 佐藤の嘔吐が呼び水になったのか、二人がその場で同時にジャバジャバと下痢便を垂れ流し始めた。救急車のシートが粥状の下痢便で瞬く間に汚れ、悪臭がさらに強烈になった。

「これ、や、やばい……い」田中は、腹部を少しでも楽にしようとシートベルトを外そうとしたが、手が震えて旨く行かない。「おえぇぇっ!」田中も嘔吐を始めた。

 佐藤も同様に苦しみながら、下痢便を延々と垂れ流しつつ、断続的に嘔吐を繰り返している。「た、助けて……て、誰か……」

 鈴木はバックミラーで二人の様子を見て驚愕した。「ちょ、ちょっと待て、しっかりしろ! 病院、そうだ、今、今すぐ病院に戻る!」

 鈴木は運転席で慌てて無線のマイクを手に取り、指令センターに緊急事態発生の報告を入れるつもりだった。しかし、彼自身も次第に気分が悪くなり始めていた。

「うっ……いかん……俺も……だ」鈴木は一瞬ハンドルを握る手が緩み、救急車がふらついた。

「し、しっかりしろ! ……と……停まれ」田中が必死の表情で叫んだが、その声は掠れていた。

 鈴木は何とか気力を振り絞りブレーキを踏み込み、救急車を路肩に停止させる。病院だ。動ける間に病院へ向かわねば。救急車を病院に戻す為にハンドルを握り直したが、痛みと吐き気が彼を襲い続けた。とても運転は出来そうにない。

 彼も他の二人と同様に下痢便を漏らし始め、同時に胃の中身を派手にぶち撒けた。運転席もまた、吐瀉物と下痢便で汚れていった。

「も、もう無理だ……む……り……」鈴木の顔色は血の気を失い青白くなり、視界がぼやけ始めた。

 朦朧とする意識の中、しかし鈴木は気力を振り絞り、助かる為には無理をしてでも病院に向うしかないと、もう一度ハンドルに手を伸ばし掛けた。だが悲しいかな、その瞬間、彼の体は限界を迎え、嘔吐と共に意識を飛びそうになった。

「助けて……誰か……」田中と佐藤の声がかすかに聞こえる中、鈴木は今更ながらに先程使おうとしていた無線の存在を思い出し、最後の力を振り絞ってマイクを握りしめる。

「こちら、救急車両3……応答せよ……我々は……異常事態だ……助けて……く」鈴木は途切れ途切れになりながらも、指令センターに何とか必死に助けを求めた。

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オイリーフィッシュ 悪魔の毒々下痢便ゾンビ Jが全部で27個、9つで1つの集団とする @jjjjjjjjj_jjjjjjjjj_jjjjjjjjj

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