色々日記

みずはらかずき

出張先記録

塩尻、岡谷、下諏訪

5月の半ば、長野県は塩尻、岡谷、下諏訪に出張した。このあたりは、長野県の中では交通の要衝で、愛知からの中央西線と、東京からの中央線が合流し、長野市に北上する。

愛知から岡谷、下諏訪の方に向かうためには、塩尻まで『しなの』で行き、その後、『あずさ』もしくはそれに並行する普通電車で南東に向かうことになる。しなのでないと、塩尻までたどり着けないか、もしくはめちゃくちゃ時間がかかるのだが、これが1時間に1本しか無いというのがなかなかに厳しいなと思ってしまった。


平日朝のしなのは、指定席がほぼ満席で、様々な客が乗っている。明らかなビジネスマン、登山客、酒盛りをしているお年寄り、外国人旅行客などなどである。特に、外国人旅行客の比率が、他の名古屋駅発着の私鉄在来線に比べて特に高い印象だった。


名古屋地域は外国人観光客に人気とはあまり言えないが、善光寺だとか各種の大きな湖や山岳地帯での登山は外国人観光客にも人気なのだろう。そう考えると、1時間に1本のしなのの本数は適切なのか?どうなんだろうかと思ってしまう。名古屋は伊勢神宮含めて周辺地域へのゲートシティとしての立ち位置をしっかり確立すべきだと思う。


最初に降り立ったのは岡谷駅だった。駅前にララ岡谷、と言う商業施設があったようだが、閉鎖になっていて、駅舎にコンビニ兼お土産屋がある以外は駅前はほとんど商店が無いといって良い状態だ。

あとは海無し県だが、うなぎが特産とのことで鰻屋と、蕎麦屋が並びに建っている。少し周りを散策すると、企業の事務所と言えるものはほぼなく、検索すると、商業施設やチェーンのレストランは駅から徒歩10分弱のところにあるようだ。今回は時間がなかったので、モスバーガーで昼食を取ってしまった。せっかくの長野だったのに、今思い返せばもったいない。

これはこの後の下諏訪や塩尻にも言えることなのだが、観光客や乗り換え待ちで町を散策しようかという人がお金を落とす先がほとんどなく、もったいないなぁと思った。


下諏訪駅は、駅を出るとビジネスホテルと、若干の飲食店が並ぶ街だ。えき温泉が有名なので、小さい、町の銭湯のような温泉施設がいくつか点在している。どれもローカル感あふれるものだ。今回は矢木温泉と言う所に行った。温泉と書いてあるからと言って、いわゆる温泉街の温泉を想像してはいけない。これは、むかしながらの銭湯スタイルで、男湯と女湯の間に番頭さんが座っている所に、お金を払ったり入浴券を渡したりするタイプだ。最近流行りのサウナなど整っている銭湯よりも圧倒的に銭湯なのだ。

僕が入店時にどうやって払ったらよいか自身がなくてまごまごしていたら、番頭さんに、

「遠くから来たんか?」

と聞かれた。基本は地元の人が来るところなのだろう。価格はなんと280円。相変わらず遠方から来た人間に全然地元にお金を落とさせるつもりがないのが良いところだ。

夕方になると、このあたりの電車は恐らく高校生であろう学生がたくさん乗っている。通学需要は多いし、そもそも若い子がそれなりにたくさんいるというのは良いことだなと思った。


塩尻は、まさにJR東海とJR東日本が交わるところで、駅の規模としてはそれなりに大きい。ただまあ、駅舎にはいくつかのレストランや蕎麦屋と大きめの待合室、売店が備えられている。

信州そばを食べたいと思ったのだが、行きたいお店がちょうど臨時休業だったので、結局ラーメンを食べに行ってしまった。今回信州っぽい食べ物を食べないまま帰ることになってしまう。ラーメン屋までの道のりはザ地方都市と言う感じで、薬局、地元企業の小さい事務所、飲み屋がポロポロ建っていた。ラーメン屋では観光客と思しき女性二人が世間話をしながら飲みながら食事をしていた。乗り継ぎ待ちをしているだけかもしれないが、観光客も来るお店ではあったようだ。

駅の中には信州ワインを出すカフェバーがあったので、一杯だけ白ワインを飲んで帰った。おつまみで出てきたスライスりんごが美味しかった。


朝は少し曇り気味で、日中すこし狐の嫁入りにあい、夕方はすっきり晴れて夕日も見れた。全体的に標高の高いエリアで雲が近いからか、いろいろな雲の形、空の色が楽しめた。


長野の中でも、このエリアは軽井沢や長野市と違って、最終目的地になるような観光地はあまりなく、パッと見では仕事のついでに遊ぶエリアではなかったが、これまで行った様々な街と少し違う風景が広がっていて、興味深い旅だった。


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