化粧に魅せられて迷い歩く

典陽(てんよう)

第1話 私(山内 美咲)の大学時代

私は美容系の大学に通っていた。


濃密な大学生活を送り今年卒業した。通っていた大学は美容系の大学として日本で1番有名な大学であった。大学時代は主にメイクを学んだ。


理由は純粋にメイクが好きだったからである。小学生の頃からメイクを始めた。

しかし、小学生でメイクをする事を両親は良しとしなかった。


両親は厳格で父は外交官、母は通訳者であった。家で父と会う事は少なかったが母が専業主婦であった為、自由にメイクをする事はできなかった。メイクが家庭内のルールで禁止だったのは言うまでもない。


なので、当時は塾の自習室に行くと嘘をついて、メイクを身に纏い街へ繰り出していた。それ程にメイクが好きだったのだ。メイクアップアーティストになるために大学に進学したいと伝えた時は猛反対された。


しかし、粘り強い説得と祖母からの助け舟もあり条件付きで進学する事ができた。



条件は30歳までに4年制大学を卒業すること。



故に26歳までに大学進学しなければならない。それまでにメイク、いや美容系の業界で一旗あげ両親に大学進学を撤回させようと思っている。

大学では国家資格である美容師資格も取得したし、在学中にメイクコンテストで数々の賞を受賞した。在学中から私にはメイクの仕事は天職だと思った。


コンテストは自分の力をテストしてもらう場所として楽しかった。結果が悪かった時の事を考えて嫌がる者が多い中、私は変わっていたのかもしれない。毎年どれだけコンテストに落とされても、応募している母数が多かったからか、受賞数も多かった。


このような学生生活のおかげか、就職には困らなかった。私は老舗デパートにあるGOUというブランドに就職が決まった。

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