真面目な話

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真面目な話

 俺は今まで鬱に甘えてしまっていたという自覚がある。自分が働けない事を鬱のせいにしてきた。鬱である事を、楽して生きる免罪符にしてきた。抗うつ薬を何年もずっと飲んでいるが、薬はあくまで補助の役割を担うものだ。俺本人が良くなろうとしなかったら良くなるはずも無い。変わろうとしなかったらいつまで経っても変われない。


 俺が鬱になったきっかけは甘えではなかったが、鬱になってからの俺は「自分が鬱である」っていう状態にずっと甘えていたように思う。はっきり言って積極的に治す気も無かった。


 俺は鬱と発達障害があるが、その2つは「人生を頑張らなくていい理由」にはならないと思った。


 俺はずっと現実や人生から逃げ続けてきたが、アラサーになって真面目に将来のことを考えて、俺もそろそろ働きたいと思えるようになった。障害者手帳を持っているから、障害者雇用で働きたい。それが俺の人生の中で1番現実味のあるお金の稼ぎ方かなと思う。お金を自分で稼ぐことができなければ野垂れ死ぬのみ。今は親も生きているし、障害年金も貰えている。だがいつか必ず親は死ぬし、年金だってもしかしたらいつか打ち切られるかもしれない。そうなった時に何とか自分だけの力でお金を稼げる状態にしておかないと、マジで人生が詰む。


 生活習慣や鬱を治すために数日前から始めたのは、早朝の30分〜60分程度のランニングと、それから帰ってきたらシャワーを浴びる事だ。


 それをやるだけでも、気分が多少は明るくなったような気がする。


 俺は以前からネットで鬱の治し方を調べていた。ネットで鬱に関して発信している人のほぼ全員が「運動」を挙げていた。


 確かに俺は慢性的に運動不足だった。最後にちゃんと運動したのは高校で野球してた時だ。1日中何もせずに部屋に1人で引きこもっていたら、そりゃ死にたくなるし情緒もどんどんおかしくなる。


 ちゃんと人間的な生活を取り戻して、俺もしっかり社会の歯車として生きていけるようになりたい。どうせ自殺する勇気なんてないから。


 何度も自殺未遂をして悟った。俺は死ねない可能性の方がかなり高い。だから腹を括って生きる。人並みになりたいとか愛されたいとか贅沢は言わない。俺なりの方法というか俺の持ってる手札で頑張って生きていく。もうそれしかない。


 あと俺が運動を始めたのは単純に痩せたいからという理由もでかい。ここ数年で急に太ってしまい、惨めだ。せめて60キロくらいには戻したい。


 鬱を治すために必要なことは、運動、日光、ちゃんとした食生活、そして瞑想も精神疾患に効くらしい。あとは自己マインドコントロール。昨日できなかったことが今日少しでもできたら自分を褒める。過度に自分を責めないこと。


 生きる意味は無いけど死ぬ意味も別に無い。


 最近は精神が安定してるから、今ここが頑張るタイミングかなと思う。


 学生時代に鬱になって時間が10年くらい流れて、やっと頑張ってみるかって本格的に思えるようになり、運動も始められた。


 鬱に限らず精神疾患は10年、20年、30年単位で付き合ってる人も多い。


 例えば骨折だったらすぐに全治何ヶ月とか分かるけど、心の病はそういうのがないし個人差もかなりあるので、長い付き合い・もしくは一生の付き合いになると思った方がいい。


 一年二年で治るものじゃないから、焦らずのんびり気楽にやっていこう。


 鬱になってすぐの人とか、鬱状態が重い人の場合はマジで休んで回復に時間を充ててほしい。頑張らない事を頑張って。


 その人に向いてる生き方と、向いてない生き方がある。


 元々の性格が俺は超内向型だから、人と関わってると疲れる。1人の時間が好きだ。かと言って人間嫌いなわけではない。むしろその逆で、好きな人は沢山いる。だけど無理して明るく振る舞うとものすごく疲れて鬱っぽくなる。


 とりあえず俺はさっき洗濯機を回した。キューブ型の洗剤を使ってる。1個ぽんって入れてスイッチ押すだけだから、楽。


 さっきペットの亀にもご飯をあげた。


 今、エミール・デュルケームの「自殺論」っていう本を読んでいるのだが、内容が入ってこない。とりあえず自殺は大別して4パターンあるというのはわかった。YouTubeでも自殺論に関する動画があるけど、それを見るのも良いと思う。自殺論を知ることで今自分はどうして自殺したいのかを客観的に捉えるきっかけになる。


 なんか今日暑くね? 30℃近くありそう。と思って天気予報を見たら29℃あった。


 どうでもいい話だが俺は掃除機を持ってない。いつも掃除する時はコロコロをかけている。コロコロの正式名称は知らない。


 洗濯が終わったので洗濯物を干した。


 あったかくなってきたからいつもTシャツで過ごしてるけど、Tシャツだと俺の腕の根性焼きの痕が無意識に視界に入る。めっちゃ目立つ。タトゥーをレーザーとかで除去する場合、たしか1平方センチで何万もかかる。なので、もし俺の腕の痕を全部消すとしたら、余裕で高級車や一軒家が買える。


 ちなみに根性焼きとはタバコの火を押し付けること。俺の意思でやりまくった。でももうやってないです。


 自傷する動物は人間だけではない。動物も過剰なストレスを感じると自分を傷付ける。だから自傷は理屈とかではなく本能なんだろう。


 俺が人生で1番後悔してるのは腕の事じゃなくて、アルコール依存症と診断されるレベルまで酒に溺れてしまった事だ。


 はっきり言って酒が鬱を治す上で1番の敵だと思う。


 アルコール依存症の脳はもう普通の人の脳とは構造が違ってしまっていて、本当に強烈に毎日酒を求めてしまうようになる。そしてその欲求は死ぬまで続く。


 あと日記療法っていうのがあって、鬱の改善に役立つらしい。俺がこうして書いてる日記的な文にも何らかの意味がある。


 俺の好きなものの話をしたい。でも最近漫画も小説もアニメも見てない。ここ数日はメンタル系の動画や医療系のドキュメンタリーばかり見ていた。終末医療に携わる訪問看護師になるのが過去の俺の夢だった。治療の手立てが無くなって、あとは死を待つだけっていう患者さんとその家族の最期に寄り添う仕事だ。(普通に家で治療を選んだ患者さんの看護もする)


 人間って思春期に触れたものがその後の人生の趣味嗜好として規定されるらしい。そして大人になるとだんだん新しいものを取り込む事が億劫になってくる。実際俺は最近のバンドは聴かなくなってしまった。


 モルモットが動物の中で1番飼いたいんだけど、ここじゃ飼えないから、モルモットの触れ合いコーナーがある動物園に行きたい。


 生活の為にスーパーに行ったり精神科に行ったりする程度で、俺の行きたい場所には今年に入ってから全く行けてない。外出する気力がなかった。


 カナダのイエローナイフっていうオーロラを見たい。ボリビアのウユニ塩湖にも行きたい。あとアメリカ行ってメジャーリーグ見たい。今だったらドジャースvsパドレスの試合が一番見たい。


 俺は海外に行った事がないから、死ぬまでには行ってみたい。


 やりたい事や行きたい場所は何個かあっても、そこに向かう気力がないんだよな。


 昨日ニュースでキャベツが一玉1000円とか見たけど、やばすぎるだろ。1,000円払ってまで食べたいものでもないしな。はっきり言って。


 俺はスーパーで野菜を単体で買うことは無いが、色んなのが混ざってるカット野菜はよく買う。


 あと果物は一切買ってない。でもバナナはたまに買う。


 昨日はスーパーでとうもろこしを買った。真空パックに入ってる湯煎済みのやつだ。甘くて旨いが、とうもろこしは歯に挟まるのがネックだ。


 あとスーパーの鮮魚が超高いから全然買ってない。俺が子供の頃は食卓に秋刀魚とか出てたけど、大人になって秋刀魚を食った記憶が無い。サバとかはたまに焼いて食べる。サバの缶詰めも昔に比べて中身が減った。


 ◆


 ふいに思い出した。


 俺が幼い頃、1番最初の実家の目の前には広い田んぼがあって、初夏の夜になると蛍が沢山現れていた。蛍はケツから綺麗な光を放っていた。俺はそれを妹や姉と一緒に見て、はしゃいでいた。夜、父が運転するバイクの後ろに乗って、俺は夏の夜風を浴びたりした。いろんな虫が鳴いていた。蛍はケツから綺麗な光を放ち続けていた。


 あの頃の俺は希望に満ちていたように思う。


 またどこかであの蛍の光を見たいと思うが、大人になった俺は一度も蛍の光を見ていない。


 とりあえず今日は天気が良いから、午後はママチャリ漕いでどっか行こうと思う。


 それでは、最後にみなさんと俺の健康を祈念してこの文を終わろうと思います。さようなら。また近いうちに会いましょう。





 終わり





 

【追記】

 

 鬱がひどい時、めまいが本当にひどくて苦しくてドラッグストアの漢方を飲んだ事があるんですけど全く効果ありませんでした。結局は時間と、長期間の精神薬の服用が効いたのかなって思います。

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