第7話 不安
通話にいるみんなに彼女から送られてきたメッセージを話してみた。すると沈黙の時間が流れ、俺は不安になって色々質問してみると言って少しの間黙っておくことにした。その間、彼女とのやり取りは普段の何気ない会話から始まったので悟られないだろうと思っていた。通話は繋げっぱなしだったので、そこで出てきたことをたまに話に混ぜながら遠回しに聞いてみていた。そんな時、彩音から会いたいと言われ通話からは一旦離れることをみんなに伝えた。了承してくれたがついでに頼まれごともあった。
「会ってきても良いけど、チャットでみんなの意見まとめとくからそれをもとに少し聞いてみてほしい」
「やってみるよ。俺からも何かあれば家に着いたときにチャットで共有しておくわ」
「たのんだ~」
「ご武運を!!」
みんな背中を押してくれたので不安も少し晴れた感覚で家を出た。待ち合わせは彩音の家になっている。
『家の前着いたぞ』
送ってすぐに彩音が出てきた。
「はやかったね!もう少しかかると思ってた」
「暇だったし、睡眠時間も大切だろ?」
「たしかに!」
近くの公園までゆっくり歩いていた。公園には誰もいなかったし、ちょうど雲で星が一部見えなかったので遊具で遊んでいた。久々に遊具で遊ぶと自分がどれだけ大きくなったのかがよくわかった。2人とも疲れてベンチで休んでいた。
「なんか飲みたいもんある?買ってくるよ」
「良いの?じゃあコーラ!!」
「おっけぃ。買ってくるわ」
自販機に行くついでにグループの方のチャットを見てみたがまだ何も送られていなかった。俺が何とか聞き出さなきゃいけないという不安がこみ上げてくるのがわかった。自販機に着くと虫が多かった。
「もう夏だな」
気づいたときには一言出てしまっていた。だが周りには誰もいない。彩音はストレッチをして体をほぐしている。注文通りのコーラと自分用の水を買って小走で戻って行った。
「おまたせ!」
「おぉ!ありがとぉ!!」
プシュッ!
コーラを開けた時の音が気持ちよく感じた。彩音がおいしそうに飲んでいる。
「プハー!運動後のコーラおいし!」
「めっちゃ飲んだな!」
1回の飲んだ量がペットボトルの3分の1くらいまでいっている。すこし驚いてしまった。
「のど越したまんなくって!」
「ビールじゃないんだから」
星を見ながら談笑をして涼んでいた。
「聞きたかったことあるんだ」
「なんだ?」
「最近さ、朝子さんとかが良く話しかけてくれるんだけどなんか原因知らない?」
彩音の勘が怖いと思ってしまった。急に計画がばれたのか不安だった。
「最近関わってないからよくわかんないけど今までのこと見てたら、ただ単純に知りたいと思ったんじゃないかな?」
「そういうことね~。なら良かったわ」
「過去になんかあったのか?」
「うん、、じつはね中学の頃同じような感じで話しかけてきてみんなに私の情報をばらまいていじめられたことがあるんだ」
「そんなことがあったのかよ、、ひどいな」
「でも振り切ったからもう大丈夫だよ!」
声のトーンは上がっていたが、顔の表情は暗いようにも感じれた。そろそろ深夜0時になるところだ。
「明日もあるしさ今日はもう帰って寝ない?」
俺はみんなに報告とかいろいろ整理したいと思って提案してみた。
「そうだね!もう日付も変わるしね」
彩音もそう言って了解してくれた。その瞬間俺は少しホッとして2人で帰路に就く。
「明日一緒に帰らない?」
久々に一緒に帰ることだし良いと思った。
「わかった」
彩音の家の前まではお互いに何気ない会話で盛り上がって楽しく過ごせている感じを装えた気がした。
「また明日」
「そうだな。朝迎えに来るか?」
「お願いしても良い?」
「わかった。前と同じ時間に来るわ」
「うん!」
別れた後俺はみんなとのグループのチャット欄を見たがなんも送られてなかった。しかもまだ通話が続いている。参加して終わったことを報告してみた。
「今終わりました。」
「おぉおつかれ!」
みんな楽しそうにしていた。
「チャットのところになんにも送られてなかったんだけど、まとまってってない感じ?」
「あっごめん!打つの忘れてた!けどある程度まとまったで」
陽輔が慌てて言ってきた。みんなが陽輔を少し責めてるが、そこで出てきたみんなの情報がこれだ。
ヲタク、先生にいつも怒られてる、裏垢のツイートが地雷&彼氏の陰口、陰キャを隠したいのかうるさい。
言われてみれば思い当たるようなこともあがっていた。一番の驚きは俺の陰口を言われていたことだが、具体的に何が言われているかが気になってしまっていた。
「寿一の方はなんかあるか?」
「うん。けどちょっと危険になるかも」
みんなにさっきまで起きていたこと、言われたこと全部隠すことなく話した。
「まじか~。怪しまれてるのかよ」
「気づかなかったわ。でもここで下がったら認めたような感じが出るよね?」
「うん。かかわりは今のままを貫ければ良いんだけど、探るような質問とか会話はなるべく避けたほうが良いかも」
「だよね…」
朝子だけが俺が再参加してからほとんど発言していない。個人チャットで聞いてみた。
『なんかあった?』
すぐに既読がついた。
『通話終わった後か明日登校するときにちょっと話したい』
『わかった、明日の朝彩音と登校しなきゃだからこの後でも良い?』
『うん!』
「とりあえずこれで通話終わるか」
「もう夜遅いしね」
「明日のお昼また集まって話した方が良いと思うんだけど、どう?」
「そのほうが良いかも!」
そう言って通話は終了した。そしてすぐに朝子から個チャが来た
『通話でもいいかな?』
個人での通話が始まる。
「ごめんね、また通話にしちゃって」
「大丈夫!話したい事って?」
「うん、さっきのこととは違う話なんだけど」
声が震えてるように感じ取れた。
どこかおかしい学校生活 @toshiya0419
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。どこかおかしい学校生活の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます