第30話 クワンティエンの夢への誘い

 さて物語はこれで終りではない。クワンティエンの夢を、その顛末を我々は未来世に見届けなければならない。魂と、心と、現し身ははたして合一するものや否や…しかし璋子の桜花はたしかにいま散った。はた今そは美しからずや。精いっぱい生き、咲いて、散らせばなり…。


 「小説返歌」

願はくは花のしたにて春死なんその望月のきさらぎのころ       

                         ―西行法師

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阿漕の浦奇談・古語版 多谷昇太 @miyabotaru77

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