第152話 クリスマスパーティー

 ────12月26日。

 12月24日は一羽と二人で。

 12月25日は葵先輩と二人で過ごしたが、今日の12月26日は三人で俺の家へ集まって、クリスマスパーティーを行うことになっている。

 ということで、俺はテーブルの上に食器だけ用意すると、その後は二人が来るまでの間大人しく家の中で過ごした。

 そうしていると、インターホンが鳴ったため、俺は玄関に向かってドアを開ける。

 そこには、俺の顔を見て頬を赤く染めている一羽と葵先輩の姿があった。


「おはよう、色人」

「おはよう、色人くん」

「あぁ、おはよう、一羽、葵先輩」


 二人のことを玄関に上げると、一羽は俺の顔を見ながら恥ずかしそうにして言った。


「今までも色人のこと大好きで大好きで堪らなかったのに、今こうして改めて会うと、もっと大好きになってる……」

「そうだね、私も……全部見られちゃったって思うと不思議な気持ちになるけど……色人くんのこと今まで以上に大好きになってることが、頭とか体とか心とか、そういうの全部通して実感できるよ」

「俺も初めてだったり手探りだったりしたが……二人がそう思ってくれたなら、それだけで嬉しい」


 俺がそう伝えると、二人は左右それぞれで俺の腕を組んできて言った。


「もう!本当に色人って優しい!!大好き!!」

「だね……してる時も本当に優しくて、惚れ直しちゃったっていうか、本当にもっと大好きになっちゃったよ」

「っ……!そうそう!色人、自分も初めてのことで手一杯のはずなのに、ちゃんと私に合わせてくれたり気遣ってくれたり、もう本当に────」

「二人とも、そんな話を玄関でするのも何だし、ひとまずリビングに移動しないか?三人で予約したホールケーキも、もう届いてる」

「っ!そうだ!ケーキ!」

「行こ〜!早く食べた〜い!」


 俺たちは、腕を組んだまま三人でリビングに向けて足を進める。

 ……正直なところ、ああいった話をされるのは少し照れてしまいそうだった。

 というか、少し恥ずかしかったため、俺は話を中断できたことに少し安堵する。

 密かにそんなことを思いながらもそのままリビングに入ると、俺は一度二人に椅子に座ってもらって、キッチンにある冷蔵庫からホールケーキを取り出してそれをリビングのテーブル上に置いた。


「美味しそう〜!」

「見てるだけで甘く感じちゃうね〜」


 楽しそうにケーキについて感想を発している二人の前でケーキを切り分けると、俺は二人の間の空いている席に座った。

 それぞれ目の前にある小皿にケーキを置くと、俺たちはケーキを口に含む。


「っ〜!美味しい〜!」

「だね〜!ちゃんと三人で選んだ甲斐があったよ〜!」

「そうですね」


 俺が頷いて言うと、二人は楽しそうな表情で自らのケーキをフォークで切り分け、その切り分けたケーキを俺の口元に差し出してきて言った。


「色人、あ〜ん」

「色人くん、あ〜ん」


 俺は、そんな二人に差し出されたケーキを見て、二人の楽しさが伝わってきたように楽しい気持ちになると、俺はその二つのケーキを口にする。

 すると、二人が美味しいかどうかを聞いてきたため、俺は少し口角を上げて答えた。


「あぁ、美味しい」


 その後、俺たちは三人でクリスマスプレゼントを交換したり────


「え!?これ、私にくれるの!?」

「あぁ……葵先輩には、これをプレゼントします」

「え〜!嬉しいよ!ありがとう、色人くん!」


 一羽が持参していたトナカイのカチューシャを付けたり────


「え〜!待って、待って!色人可愛い!」

「頭撫でてあげたくなっちゃう可愛さだね〜!撫でちゃお〜!」

「……」


 三人で腕を組みながら映画を観たりして────


「い、今、何か後ろに映らなかった!?」

「映ったな」

「だよね!?」

「後ろって言ったら、さっきから一羽ちゃんの後ろに居る女の人って一羽ちゃんの知り合い?」

「えっ!?わ、私の後ろ!?……って、誰も居ないじゃん!」

「あはは、からかってみただけ〜」

「葵!!」


 とても楽しいクリスマスパーティーの時間を過ごした。

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