第16話 待ってくださいませ!!
「「お姉様~!! 待ってくださいませ~」」
レジ-ナは、ドキッとした。
フリードが回復したので、四人の騎士をビルラードにへ帰そうと、サントスの街の郊外で別れをしていた時のことである。
これからクレッグと二人で、あるオアシスを目指すつもりでいた。
カタリナのは、メルクリッド大賢者様が説得して、神殿で巫女の修行をすることになったはずである。
「カタリナったら、大賢者様の言うことも聞けないわけ?」
「いや、ちい姫には外の世界の、誰が偉いとかの概念が無いんじゃないのか?」
クレッグの言葉に、レジ-ナは言葉に詰まってしまった。
(そうかもしれないわ……)
声は、次第に近くになり、やがて馬のひずめの音は、レジ-ナの前で止まった。
「お姉様~!! 酷いですわ!! あたくしをおいていくなんて。プンプンですわ」
レジ-ナの胸に飛び込んだカタリナは、カエルのように顔を膨らませていた。
「カタリナ……あなたは賢者様の言うことが聞けないの?」
「あら、賢者様ってお父様よりもエライのですか?」
「賢者様といったら、西域で一番尊敬されてる人よ」
「まあ……難しいのですわね……」
カタリナは、四人の騎士に向き直った。
小柄な騎士がカタリナに、笑顔で言った。
「ちい姫!! お手柄ですよ!! あの設計図は軍船らしいのです。次にヴィスティンは、西の海に進出しようとしてることが分かりました。
姫のおかげです」
「まぁ、そんなことが分かりましたの」
「オレは、姫がくれた映像どおりに書き写しただけです。後は、神殿からその筋の人に解析してもらったんですよ」
「お役に立ててうれしいですわ」
カタリナは、ニッコリと笑って悩殺した。
「こらこら、トップ・シークレットを話すんじゃない」
小柄な騎士はクレッグにゲンコツを食らっていた。
「じゃあ、隊長。俺たちは帰るんで」
「この子もお願いよ」
レジーナが言うも、カタリナはチャッカリ、クレッグの馬に乗り換えていた。
「カタリナ!! 帰りなさい!!」
「嫌ですわ!!お姉様の落ち着き先まで行きます」
呆れて何も言えないレジーナとクレッグである。
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